他の支援会社と比較して5倍の商談数を獲得
株式会社カケハシ
課題と効果
課題
- マーケティング施策の有無で、営業に行ける範囲や時期が左右されていた
- 医薬品卸売会社に同行し販路拡大を試みるも、目的が異なり商談に至ることが少なかった
効果
- 他社比約5倍のアポイント数を達成し、フィールドセールスの人材育成が加速
- 行きたい顧客に行きたい時に訪問できるようになり、PDCAを回せるように
- 必要な情報が記録、可視化され、社内のコミュニケーションが円滑に
「これは『テレアポ』ではなく『セールス』」
日本の調剤薬局の数は、今やコンビニエンスストアより多く約6万店、競争が激化する業界だ。調剤薬局は薬を売るだけでなく、患者に薬を渡す際に服薬に関する指導を行いその記録を残し、国に報告することで診療報酬を得ることも大きなビジネスの柱である。国からも対人業務の強化が求められ、薬剤師は指導の質を高める必要に迫られる一方、時間を割きすぎると記録の時間が取れなくなってしまう。多くの薬剤師が残業で記録をつけているのが現状だ。
この課題を解決するのが、株式会社カケハシが提供するクラウド電子薬歴「Musubi」。薬剤師は接客場面で、患者への問診をタッチパネルで入力することで服薬指導のヒントが得られ、入力内容はそのまま報告用の記録となる。累計約37億円の資金調達を行い、業界からの注目が増す中、同社はインサイドセールスを開始する。チームの立ち上げに邁進する藤原氏と西海氏にその経緯やポイントについて話を聞いた。
藤原 将志様(左)
ファーマシストパートナー西海 大雄様(右)
SALES BASE導入の背景
藤原:Musubiは3年前にサービスを開始したのですが、2年くらいはブランディングに注力し、同時に医薬品の卸業者に同行して、調剤薬局を1日数件回っていました。しかし、相手にとっては飛び込み営業に来たようなもので、なかなか商談に至らなかったのです。
西海:アライアンスに頼らず、自分たちが行きたい顧客に直接アプローチできるようになりたいとの思いから、アウトバウンドをするインサイドセールスのチームが立ち上がりました。インバウンドなどのリード獲得を行うマーケティングチームはあったのですが、リード数がマーケティング施策ありきになってしまうので、リード供給がない時期は新規開拓の活動ができませんでした。
藤原:展示会はかなり出展していたのですが、薬剤師は名刺を持っていない人が多く、ブースに来て話を聞いた人の数%しか連絡先がわからず次に繋げられなかったのです。そこで、2人で「アンケートで連絡先を取れるようにしよう」というところから始めました。また、西海がコールセンターに勤務していたときのアイデアから、試しに100件ほど、和紙のエグゼクティブレターを送って電話をかけてみました。その結果、成約に至り、「これはいけるんじゃないか」との感触を得て、件数を増やす方向で動き始めました。もともとアウトバウンドは量が重要だと、西海と意見も一致しており、プロに外注しようと話していたのです。
SALES BASEで選定した経緯で
西海:いろんな方に外注先のお勧めを聞いた結果、『SALES BASE』の名前が複数の方から挙がりました。「商談」をモデルや概念で理解している会社と聞き、我々の目指しているものと合致していたのです。
藤原:『SALES BASE』の営業の方に実際にお会いすると「プロフェッショナル」でした。最初の打ち合わせから、差別化のポイントなど深い議論ができ、これは相当理解が深いと感じました。
西海:初めて営業の方にお会いした時から、藤原と「ここだな」と意見が合いました。通常テレアポを外注すると、感覚のすり合わせに大変な手間がかかります。一方、『SALES BASE』の営業の方は、初回の打ち合わせで実際のMusubiの活用画面をお見せした際、「Musubiは画面を見せながら営業したほうがよさそうですね」と、『SALES BASE』と併せて他社サービスの遠隔画面共有ツールの活用を提案してくれました。『SALES BASE』でアポイントを取って、お客様にまずは遠隔画面共有ツールでMusubiをみていただき、興味を持っていただいた方に訪問する。まさにMusubiの強みは、言葉や機能比較表で表現できないUI/UXなのです。ハッとさせられました。ベストプラクティスを一緒に築いてくれる期待感を持ちました。
具体的な成果や今後について
『SALES BASE』の導入で大変だったことはありますか?
西海:『SALES BASE』はBPOサービスとクラウド上で管理するツールが一体となっています。私たちはテレアポの業務委託を目的としていたので、ツール導入時の初期設定は正直少し手間だと感じました。弊社内でスケジュール管理しているGoogleカレンダーと『SALES BASE』のカレンダー機能の連携設定などに少し時間がかかりました。しかし、導入して慣れてくると、ログインすれば必要な情報が見られるので、コミュニケーションのプラットフォームとして便利です。アプローチした際の温度感や背景など、私たちが知りたい情報がしっかり記録されています。2回目にコンタクトした先も1回目の履歴が残っているため、他社では点ですが、『SALES BASE』は線で追えます。
藤原:記録を見ると「ここまで追っているんだ!」と驚きます。これは「テレアポ」ではなく「セールス」ですね。成約に1歩1歩近づいている感じがします。また、経営層や上司などへの進捗状況報告に必要な数字がグラフで可視化されているので、そのグラフを見てもらうだけで状況を把握してもらうことができ、使いやすいな、と思いました。
販促上の効果はありましたか?
藤原:実は『SALES BASE』と同一内容の業務を同一量、同一タイミングでお願いしていた他社があったのですが、比較するとアポイントメント数が約5倍と、数字面で圧倒しています。私たちのチームはフィールドセールスの人材を育成する役割も担っていますが、『SALES BASE』にお任せてしているエリアでは数多く商談の「打席」に立ってもらっているので、早くも訪問時の商談の質について議論ができるようになりました。教育のステップがあがっています。他社にお願いしている他のエリアでも『SALES BASE』を入れて欲しいという声が出ています。
西海:アポイントメントを自分たちでコントロールできるようになったことも大きな効果です。マーケティング施策がないと何もできない状態から、「このエリアで何件のリードがあれば、何件のアポイントメントが取れる」と自分たちで決められます。また、行った施策の仮説・検証を行う上では、『SALES BASE』がアポイントメントの量を担保してくれるのでPDCAを高速で回せています。他社にテレアポを外注してしまうとコンタクトの温度感がわかりづらい弊害がありますが、『SALES BASE』なら所感が詳細に記録されているので検証がしやすいです。コンタクト時の記録の付け方は当社のインバウンドのチームにも見習って欲しいくらいです(笑)。「ここまでレベルを下げると数が増やせますが、質が落ちます」など、いくつかの打ち手を含めて記録されています。戦略までセットで出てくるのは頼もしいですね。
藤原:私たちの営業戦略においては、先にエグゼクティブレターを送っているのでコンタクトの早さも重要です。例えば、500件のリストをお渡しした時に、他社では電話を掛け終えるのに1〜2週間かかりますが、『SALES BASE』なら2,3日で終了しています。アポイント率の高さに繋がっている要因かもしれません。
西海:相手につながらなかった時、2回目のコールを、いつ、誰に、どのタイミングで行うか。この選択も『SALES BASE』は適切ですね。単純に2,3日あけるのではなく、次の連絡先を聞けたら、あえて次の日にかけてみるなど、追う姿勢が徹底されています。
今後の展望はどのようにお考えでしょうか?
藤原:全国展開をしていきたいです。現在は首都圏を中心に新規開拓をしていますが、カケハシは大阪にも拠点があります。『SALES BASE』の担当者からも地方の筋が良さそうだと、提案されているので、やってみたいと考えています。
西海:『SALES BASE』の営業の方が紹介してくれた遠隔画面共有ツールを用いてオンラインで営業ができるようになったので、スムーズに全国展開ができそうな手応えがあります。
藤原:この2ヶ月はマスで展開して仮説を検証する段階でした。今後は今回得られた結果をもとに具体的にターゲットを絞って営業をしていくことができるようになります。
西海:セグメントによってはもう少し細かく、顧客ごとの対応ができるようになるといいですね。『SALES BASE』には何かと期待してしまいます。外注した時に(結果が出ないと)施策が悪かったのか、外注先の質が悪かったのか判断がつかないことがあるのですが、『SALES BASE』は外注先として質が良く施策の検証に注力できると思います。
藤原:事業を発展させていくにあたっては、しっかり決めたことをやりきる、やりきった先にエビデンス・数字が出てきてそれを基に次の展開をどうするかが重要です。『SALES BASE』はやりきって、エビデンスを残して次をどうするか提案までしてくれます。それらを自社で全部やるのか、外注でやるのか、その判断はそれほど難しくありません。『SALES BASE』の導入に悩む時間があれば導入したらいいのではないかとお伝えしたいです。
※この記事の内容は取材当時の情報です。記載されている会社名、サービス名、役職名等は現在と異なる場合があります。
会社概要
- 社名
- 株式会社カケハシ
- 設立
- 2016年3月
- 資本金
- 32億586万円(資本準備金を含む)
- 事業内容
- 電子薬歴の開発、薬局サポート
- 業種
- 情報通信・IT関連
- 事業部営業人数
- 7名
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