仮説検証の高速サイクルで商談の7〜8割が高確度に
PXC株式会社
課題と効果
課題
- 既存事業はルート営業が中心。新規事業における顧客開拓のノウハウがなかった
- 受注後、営業担当はディレクション業務に移行。新規開拓を継続する時間がなかった
- 新規事業リリースのタイミングでコロナ禍に。対面での人海戦術は困難だった
効果
- 導入半年で、約50年培ったハウスリストと同等の新規2,000社へアプローチ。
- 過去実績比2倍以上!新規リストでリード獲得率15%、アポ獲得率6.5%。
- 3ヶ月目以降、商談の7〜8割が高確度。商談の質が向上。
- 営業組織の分業に成功。マーケティング、インサイドセールス、営業の3組織に。
商談の7〜8割が高確度
仮説検証の高速サイクルで見えた、安定的な商談獲得体制
DXをAIで支援し、企業のマーケティングリサーチに新たな知見をもたらすサービス「AIGENIC(アイジェニック)」。Instagramが生活者の「ハレの日」を映し出すことに着目し、AIで分析を行うことで、手間なく、リアルタイムに、生活者のインサイトと商品の隠れた価値をあぶり出す。用途はブランド構築、商品開発、リブランディング、販促企画の効果測定と極めて幅広い。
この最先端のサービスを提供するPXC株式会社の歴史は意外にも長く、創業は1971年。自社工場を有し、販促物の企画・制作やイベント運営など「フィジカル」なマーケティングを中心に支援してきた。AIGENICは、創業50周年を目前に「PHYGITAL(※1)」をスローガンにリリースしたデジタル領域の新規事業。従来の営業スタイルにとらわれずに新規顧客開拓を進める佐野氏、加我氏、宮坂氏に話を聞いた。
※1:フィジタル(Phygital)とは物質を意味する「フィジカル(Physical)」と「デジタル(Digital)」を組み合わせた造語
- オウンドメディア「SP_DX.mag」 https://service.pxc.co.jp/column/
- サービスサイト https://service.pxc.co.jp/
マーケティングコミュニケーション部
マネージャー
加我 潤也 様(左)
フィジタルイノベーション本部本部長
宮坂 雄一 様(中央)
フィジタルイノベーション本部ソリューション1部
マネージャー
佐野 風太 様(右)
SALES BASE導入の背景
佐野 新規サービスを世に出すのは、弊社にとって経験のないことでした。今までは、既存のお客様に対し、セールスプロモーションの課題をヒアリングして、毎回オーダーメイドの施策を立案し、ご提案していくいわゆる「既存顧客向けソシューション型」の商談スタイルでした。一方新規サービスのAIGENICはいわゆるSaaS型のクラウドサービスと商材そのものの性質が異なりますのでその商材に合わせたアプローチ手法を確立する必要がありました。
加我 これまでもテレアポや、展示会で集めた名刺に対して一斉に電話をかけるようなことはやっていました。しかし新規サービスのリリースとなると人のリソースも限られる上、コロナ禍で人を集めて一斉に動かすのが難しい状態でした。
佐野 そこで「外部にセールス施策を委託することも検討してみよう」という意見が出る中で、インサイドセールスの事例が多いSALES BASEの話を聞きました。やり方やフローを含めて安心感もあり、おまかせして全く問題ないという印象を持ちました。
加我 競合のサービスを確認すると、架電後、メールを送付して終わるものが多かったのですが、SALES BASEは架電先の情報取得や反応の確認もできますし、いい反応の架電先にはアポイントの日程までちゃんと決めてくれます。また、弊社のハウスリード・ハウスリストに加え、SALES BASEが持っているリストにもアプローチしてもらえる点も大きかったです。
佐野 選定の決め手は、柔軟性です。SALES BASEは月ごとに施策の調整が可能です。私どもとしては、新規事業のためテストマーケ的に、今までコンタクトの無かったお客様とより多くの接点を作っていろんな意見を吸い上げてみたかった、という事情がありましたが、これにマッチしていました。
具体的な成果や今後について
テストマーケティング的な進め方とは、実際にどんなことをしたのですか?
佐野 SALES BASEを利用するとアプローチ結果を毎月レポートして頂けます。事業ごとや業種ごとに受付突破、資料請求、アポ率、商談へのつながりやすさなどの定量的情報はもちろん、反応やリアクションといった定性的情報も含まれています。
AIGENICは、インフルエンサーのパワー、エンゲージメントの総数、「いいね」の総数、投稿総数など複数の視点をAIで見て、独自のチューニングを用いてランキングで表示することが強みの製品です。
最初の1ヶ月は仮説に基づきリサーチ系の部署にアプローチしてもらっていたのですが、反応やリアクションが期待とは異なりちょっとここじゃないな…というのがだんだん見えてきました。そこでSALES BASEの担当者と相談しながらアプローチシナリオを組み立て直し、アプローチ先を商品開発・マーケティング・ブランドプロモーションへと変え、トークスクリプトも変えたことで、資料請求件数や商談の獲得率を上げることに成功しました。
また、業種は製造業の反応がいいこともわかりました。コロナ禍の今、非常に多くのメーカーさんが、対面型で、営業や情報収集ができなくて困っています。AIGENICはある程度簡単に世の中の潮流や、自社や競合に対する評価を知り、生活者の生の声を知ることができる。そこに価値があることを製造業の方に知ってもらうことで、ご興味をいただける手ごたえを実感できるようになりました。
さらに、活動を通じて、SNSに対するリテラシーが高い担当者や会社でないと厳しいということも見えてきました。今後のマーケティング戦略の参考になりそうだと考えています。
加我 多角的なアプローチをSALES BASEでやっていただき、その結果を都度ご報告いただけたので、マーケ側としてはどのように情報を拡散すべきか次の仮説が立てられます。例えば、ホワイトペーパーにつなげられないか、ウェビナーのバナーのキャッチコピーをどう作るか、メルマガの案内文をどういう風なテーマで整えていくか。フィールドセールスにおいても、セールスシートの切り口を変更するなど、化学反応が社内各所で起きていました。
営業活動の一部を外注することへの抵抗感はありませんでしたか?
宮坂 社内で拒絶反応のようなものは、まったくありませんでした。営業がやること、マーケ側でやることを仕分けることができたのが、SALES BASEを導入して一番よかった点だと思っています。インサイドセールスのやり方自体が弊社にないものだったので、リソース不足を補うだけでなく、ノウハウを吸収することもできました。トークスクリプト一つにしても、定例会を含め何度もディスカッションしながら作りあげるのですが、「スクリプトってこういう風に作るのか」と弊社としては非常に勉強になりました。
佐野 弊社くらいの規模の会社だと、各営業担当の能力に依存している会社が多いのではないかと思います。その人がいなくなると、できなくなってしまう。その点、社内ノウハウとして、営業のマーケティング思考が出てきて、今後もPDCAで回していく流れが確立してきました。この点は大きな財産になったと思います。
外注したインサイドセールス業務の成果はいかがですか?
佐野 新規サービスのアプローチ活動を、社内の限られたリソースで、かつノウハウがない状態でやると非常に期間がかかります。仮にこれらの業務を100%社内で実施したとすると、7〜8割程度しかできなかったのではないでしょうか。PDCAを回しながらも、半年で、弊社のハウスリストと同じくらいの総数へアプローチしてもらったのは非常に大きかったですね。ここから15%のリード獲得、6.5%のアポ獲得につながりました。過去に弊社でやっていた新規に対するアプローチは、2~3%くらいのアポ獲得率でしたので、成果は倍以上になっています。やはりその道のプロとして手本を見せてくれており、社内でも確実に浸透してきています。
安定的に見込みのある商談を創出するにはどうするとよいでしょうか?
佐野 継続してアプローチを続けるのが大事だと思います。私どもの規模の新規営業では、新規サービスのアプローチをあるタイミングで一斉に行い、受注するとだんだん既存顧客のディレクション業務などが増えてきて、新規アプローチの時間を割くのが難しくなってきます。その点、SALES BASEを利用して新規アプローチを継続することで、今月どうだったのか、では来月こうしようと仮説・検証のPDCAを回していけます。
正直、最初の1〜2ヶ月は、打ち合わせしてその場で終わるアポイントが半分ほどありました。しかす3ヶ月目以降では商談の7〜8割は具体的に金額提示ができ、見込み顧客としてカウントできるようになりました。SALES BASEから提示されるリードとサービスとの親和性が増してきたのだと思います。私どもとしては金額提示までできればある程度ご興味のある見込み顧客としてとらえています。そこまで行くとお客様の予算感や競合サービスの金額感といった詳しい情報が得られ、当社から提示するプランや金額感を顧客のニーズに合ったものに調整することができるようになります。
SALES BASEで毎月行ってきたPDCAの成果が3か月ほどで成果に結びついてきたのだと思います。
今後の抱負を教えてください。
佐野 今の時代、リサーチ手法は大きく変化しています。ワントゥーワンマーケティングのように、よりターゲットを絞り、生活者に対する新しい気づきを得て、各企業が持っている課題に活用していく時代になってきています。SNSのデータから、生活者のリアルな体験とは何か、ペルソナやインサイトは仮説とギャップがないか。セールスプロモーションや商品開発に、新しい分析の価値を提供していきたいと思います。
加我 電通さんが発表した日本の広告費において、ソーシャルの広告は5,000億円を超えています。商品、サービスを提供していく企業が、生活者の方々を起点に考えていきたいという表れかと思います。今後はAIGENICが企業と生活者の橋渡しとして、SNSプロモーション企画をお手伝いしていきたいですし、私どもはセールスプロモーションのアウトプットのところまでご支援可能ですので、一気通貫してより高い付加価値を出していきたいと思っています。
宮坂 今回弊社はAIGENICのリリースにあわせて、新しくインサイドセールスによる販売促進に挑戦し、SALES BASEの支援を得て軌道に乗せることができました。新しいものへの挑戦は簡単なことではないですが、時代の変化に合わせていく必要性を改めて感じています。弊社のAIGENICも今はまだ一部の業種業界のお客様にしか認知されていませんが、今後より一層SNSを活用したプロモーションを広め、お客様のプロモーションのDX化をご支援していきたいと思っています。
※この記事の内容は取材当時の情報です。記載されている会社名、サービス名、役職名等は現在と異なる場合があります。
会社概要
- 社名
- PXC株式会社
- 業種
- WEB制作・広告制作
- 事業部営業人数
- 3名
この事例で利用したサービス
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