ハイレイヤーアプローチの道筋を創る。泥臭くも緻密なテックタッチのBDR活動 テックタッチ 米田晃・長友雄樹・澤山廣太 #THELEADERS
現場で活躍するインサイドセールスのキーマンに、SALES ROBOTICSの冨田貴徳が取材する連載企画「THE LEADERS」。
今回のゲストは、テックタッチ株式会社の米田晃さん、長友雄樹さん、澤山廣太さんです。
「全てのユーザーがシステムを使いこなせる世界に」をミッションに掲げ、企業が導入したシステムを効果的に活用できるように支援するソリューション、DAP(デジタルアダプションプラットフォーム)市場を自社サービスで牽引しています。
同社の事業成長を支えるのが、大手企業のキーマンと次々に接点を構築しているBDR部門です。キーマンとなるターゲットへのアプローチが困難とされるこの領域で、彼らはいかにしてその壁を乗り越え、再現性の高いパイプラインを構築しているのでしょうか。そのカギを握る戦略を三人に伺いました。
(執筆:サトートモロー 編集・音声編集:増田那々海 撮影:小林 一真)
米田晃
Business Development Representative部
部長
2015年4月、ブリッジインターナショナルでキャリアをスタート。複数の大手IT企業のインサイドセールス(IS)戦略実行を請け負う同社で、外資系SaaS企業のアウトバウンド部隊にて活動。その実績と経験を活かすため、2018年4月にBox Japanへ転身。主にEnterpriseアカウントに対する新規リード獲得コールに注力し、トップラインの成長にも貢献する。2023年2月、現職のテックタッチに入社。2024年5月、Business Development Representative部部長に就任し、部門の戦略立案、採用を含む組織運営を担う一方、自らも新規開拓アウトバウンドを実践するプレイングマネージャーとして、組織の持続的な成長を牽引。
長友雄樹
Business Development Representative部
2014年4月、新卒で入社したヤマハ発動機では、代理店営業および公共(自治体)営業を担当。その後、IT業界へ転身し、楽天の新規事業部門(楽天ペイ)にて法人営業を担当し、フィンテック領域の立ち上げにも貢献する。Sansanの新規事業企画室にてBill Oneの立ち上げに携わったのち、Salesforceで金融機関や自治体・中央省庁向けにBDR業務を経験する。2023年10月、テックタッチに参画。CX事業部でのAE・CS業務を経て、BDRへ。エンタープライズ企業へのアウトバウンド業務とBDR組織の立ち上げに従事。
澤山廣太
Business Development Representative部
2014年4月にワヨーに入社し、営業としてキャリアをスタート。2016年5月、転機となったデルタマーケティングに入社。リクルートライフスタイルへ出向し、飛び込み営業を経験。アポイント獲得から商談実施に至るまで、極めて高い精神力と即応性が求められる環境下で、難易度の高い顧客開拓力を徹底的に鍛え上げる。2021年4月に建設業向けSaaSを提供するアンドパッドに入社し、インサイドセールス(BDR)業務に従事。現場での実績を評価され、ISのリーダーおよびマネージャー職を経験。2024年8月よりテックタッチに参画し、エンタープライズ企業への商談機会獲得やメンバーの育成業務に従事。
ハイレイヤーと目線を合わせた会話でサービスを訴求
冨田:
まずは皆さんの自己紹介と、現在の役割について教えてください。
米田:
テックタッチで※BDR部門の責任者をしている米田です。新卒からインサイドセールスとしてのキャリアをスタートし、外資系SaaS企業などを経て2023年にテックタッチへジョインしました。
現在はマネジメントとプレイヤーを兼務しています。今年で社会人10年目、インサイドセールス歴も10年目になりました。
※BDR(Business Development Representative)
アウトバウンド対応がメインのインサイドセールス。「新規開拓型」の営業手法とも呼ぶ。
長友:
私は米田のチームで、製造業を中心とした大手企業を担当しています。キャリアとしてはメーカーに就職後、複数の企業でアカウントエグゼクティブ(AE)とインサイドセールスを経験してきました。そしてちょうど2年前、2023年にテックタッチにジョインしました。
澤山:
私もプレイヤーとして業務に従事しています。一社目は大手グルメサイトの提案営業をしていて、前職では建設向けのバーティカルSaaSでインサイドセールスのマネージャーなどをしていました。
冨田:
皆さん、まさにインサイドセールスのプロフェッショナルですね。米田さんは、インサイドセールスの黎明期からずっとインサイドセールスキャリアなのは凄いですね。皆さんが提供している「テックタッチ」とは、どのようなサービスなのでしょうか?
米田:
私たちは「全てのユーザーがシステムを使いこなせる世界に」というミッションのもと、DAPのツール「テックタッチ」を提供しています。
「テックタッチ」は、企業で使われている経費精算システムやSFAなどの画面上に、操作ガイドやナビゲーションをノーコードで直接表示させることができるクラウドサービスです。これにより、ユーザーの「これ、どうやって使うんだっけ?」という疑問や操作ミスをなくし、システムの定着と利活用を促進します。
おかげさまで、DAP領域では5年連続国内シェアNo.1を獲得しており、大手企業から官公庁まで幅広くご導入いただいています。

冨田:
ホリゾンタルな製品なんですね。テックタッチ社では、具体的にどのような方々がお客様なのでしょうか?
長友:
私たちがご提案をさせていただく先は、基本的に執行役員や部長以上の高役職者の方々になります。
冨田:
やはりハイレイヤーの方が中心なのですね。しかし、サービスの特性を考えると、実際に利用するのは現場の方々ですよね。役員クラスの方に「現場の入力ミスが……」といった話をしても、少し距離があるように感じます。
インサイドセールス活動では、ハイレイヤーの方々とどのようなお話しをするのですか?
長友:
おっしゃるとおりで、ハイレイヤーの方とお話しする際は「問い合わせが削減できます」といった、現場目線の話はほとんどしません。そこで、アプローチする方のお役職に合わせてメッセージを変えています。
まず、彼らが関心を持つであろう中期経営計画や、公開されているDX施策の内容を必ずインプットします。このインプットでお客様と目線をそろえつつ、「DAPを活用することで得られる効果」をお伝えしていきます。
冨田:
経営課題の解決という観点でお話しをするのですね。
長友:
ホリゾンタルなサービスではある一方でターゲティングも行っています。「テックタッチ」の価値をより実感していただけるお客様の特徴は、「ユーザー数が多いシステムを利用しているお客様」です。経費精算システムや人事関連のシステムなどが、それに該当するでしょう。
<ユーザー数が多いシステム例>
- ERP
- 経費精算システム
- 間接材調達システム
- 人事システム
- HRDX
加えて、役職も執行役員、部長、課長級とレイヤーを分けています。エンタープライズ企業の場合、現場をまとめる課長職の方々が決裁権を持たれていたり、システム導入の推進者であることも珍しくありません。
このように、利用システム×レイヤー(役職や役割)という軸でターゲティングをしつつ、「ある会社の1部門につき、3名ずつレイヤーを分割してアプローチする」といった戦略を取っています。
冨田:
たしかに、5名しか使っていないシステムと500名、5,000名が使うシステムとでは、「テックタッチ」導入によるインパクトが大きく異なります。「システム利用者数」はテックタッチ様とお客様双方にとって、とても大切ですね。
営業部門としてアプローチ×アカウントエグゼクティブと連携
冨田:
インサイドセールスチームの組織体制について教えてください。
米田:
当社では、インサイドセールスは※SDRとBDRで役割が分かれています。もともとは兼務だったのですが、組織の拡大に伴い最適化を図った結果、役割を分けました。
※SDR(Sales Development Representative)
インバウンド対応がメインのインサイドセールス。「反響型」の営業手法とも呼ぶ。
米田:
また当社では、BDRは営業部門、SDRはマーケ部門にそれぞれ所属しています。私たちBDRは営業部門に所属し、新規顧客へのアプローチに注力しています。一方、SDRはマーケティング部門に所属し、イベントのフォローやインバウンドリードの商談化に注力しています。
さらにBDRは、従業員の生産性向上を支援する「EX営業部門」、顧客体験の向上を支援する「CX営業部門」など、担当する役割ごとに組織が分かれています。
BDRとその先の商談を担当するアカウントエグゼクティブが同じ組織にいることで、アカウント戦略のすり合わせが非常にスムーズになります。この体制を敷いたことで、組織全体の事業スピードは格段に上がったと感じています。
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冨田:
営業組織の一員として、BDRチームはどのような数値がKGI、KPIに設定されているのですか?
米田:
KGIとして最終的に見ているのは「BDRとしてどれだけ売上に貢献できたか」です。そして、創出した新規商談数、コール数や接続率、あとリストをどれだけ準備できたかなどをKPIとして管理しています。
冨田:
リストの準備数?
米田:
私たちの活動は、用意されたリストの上から電話をかけるだけではありません。日々のニュースや企業のIR情報などから「今、この会社にアプローチすべきだ」という仮説を立て、自分たちで調査して能動的にアプローチリストを作り出していく必要があります。
このリスト作成自体が活動の根幹を成すため、重要な数値として設定しているんです。
冨田:
皆さんが、事前の準備をいかに大切にしているかが伝わる話です。BDRチームは営業部門に所属しているとのことですが、アカウントエグゼクティブの方々とはどのように連携しているのですか?
米田:
アカウントエグゼクティブとは「バディ制」のような形でチームを組んでいます。1対1の専属体制ではなく、現在はBDR1名あたり4〜5名のアカウントエグゼクティブとバディを組んでいる形です。
冨田:
ターゲット企業の情報を徹底的に収集し、アカウントエグゼクティブとバディを組んで仮説に基づいたアプローチの筋道を立てるのですね。
ハイレイヤーの方々との接点創出を実現させる情報収集戦略
冨田:
実際にハイレイヤーの方々へアプローチするために、どのような手段を採用していますか?
澤山:
主な手段は電話とメールです。しかし、どちらも画一的なトークをするのではなく、中期経営計画などを読み込み、部署や役職に合わせて訴求ポイントを変える「One to One」のアプローチを心がけています。
冨田:
とはいえ、キーマンの方につながるハードルはかなり高いのではないでしょうか?
澤山:
おっしゃる通りです。担当者の方につながること自体が容易ではないので、直接会話ができる機会はとても貴重です。
少しでもつながる確率を高めるための工夫は欠かせません。電話がつながりやすい時間帯は企業によって異なるので、各メンバーで架電率などの数字をモニタリングしながら、電話をかける時間帯を調整しています。
ご不在だった場合も、ただ戻り時間を聞くだけでなく「在宅勤務は多いですか?」「外出が多い方ですか?」など、ワークスタイルをそれとなくヒアリングしています。こうした情報から、接続の難易度を把握するようにしています。
冨田:
そうした工夫を重ねる過程で、電話がつながらない、あるいは難易度が高いと判断した場合はどうするのですか?
長友:
ハイレイヤーの方々は、秘書やアシスタントの方を通して会話する機会が非常に多いです。そこで、秘書の皆さんに単なる営業電話だと思われないような会話を心がけています。
中期経営計画にもとづいた内容をお伝えしたり、こちらもある程度のレイヤーのメンバーをそろえたうえで架電したり。緊急性の高い電話だと思ってもらうことで、ご本人に伝えていただきやすくする工夫をしています。

冨田:
そこまで計算しているのですね。仮にそこでも断られてしまう場合はどうするのですか?
長友:
エンタープライズの基幹システム刷新などは、半年や1年で終わるプロジェクトではありません。なのでお断りされた場合、「今後のプロジェクトのスケジュール感だけでもお伺いできないでしょうか」と、次につながる情報を必ずヒアリングするようにしています。
相手に不快な思いをさせないように、「何度も同じお電話をしてはご迷惑でしょうから」と枕詞を置くと、意外とおおまかなスケジュールを教えていただけることもあります。このスケジュール情報こそが、我々BDRだけでなくアカウントエグゼクティブにとって最も価値のある資産の一つになります。
澤山:
企業によっては、システム導入のスケジュールを公開している場合もあるので、それも貴重な情報として収集しています。それに加えて、現時点で対象のシステムを導入している企業様の情報も、しっかりと追いかけるようにしています。
冨田:
それはなぜでしょう?
澤山:
システムは、導入してからの経過年数によってお客様が抱える課題が変わってくるからです。導入直後なのか、それとも5年以上経過しているのかで、アプローチの切り口も変わってきます。そのため、「いつ導入したのか」「現状、どのような課題感があるのか」は、架電時にヒアリングするようにしているんです。
冨田:
システムを取り巻く一連の情報が、テックタッチ社にとって資産価値の高い情報になるのですね。
米田:
だからこそ私たちは、自社プロダクトである「テックタッチ」のことだけを知っていても不十分なんです。国内外の基幹システムや主要なSaaSプロダクトについて、それぞれの特徴やユーザーの方が抱えがちな課題を深く理解していなければ、お客様と質の高い対話はできません。
そのための情報収集や勉強は、日々欠かさず行っています。
冨田:
ドメイン知識の習得はどうしているのですか?
長友:
各自で専門書を読むといったインプットはもちろんですが、社内のカスタマーサクセスチームからのインプットが特に役立っています。
弊社のカスタマーサクセス部門には、お客様が使っているシステムの開発会社出身者や、導入コンサルタントだったメンバーが多く在籍しているんです。彼らから、対象のシステムの「ユーザーがつまずきやすいポイント」「担当者が言われると嬉しい専門用語」といった生きた情報を直接教えてもらえます。
電話での数分間の会話の中で、そうしたキーワードを一つでも口にできるかどうかで、相手に「この人は話すに値する」と思ってもらえるかが決まります。
冨田:
社内の専門知識を持った方々を巻き込んで、組織全体の知見を高めているのですね。
チーム間の連携で作る「ゲームプラン」
皆さんはアカウントエグゼクティブの方々とも密に連携しているようですが、両者でどのようにアカウントプランを策定・運用しているのですか?
澤山:
私たちはアカウントプランを「ゲームプラン」と呼んでいて、アカウントエグゼクティブとの週次の会議体で作成しています。会議の中で、担当するアカウントごとに「誰と接点を持てば受注につながりそうか」「どのシステムに対してニーズがありそうか」をすり合わせていくんです。
冨田:
アカウントプランは顧客情報や組織図、課題など、管理すべき項目が多いですが、テックタッチ社の「ゲームプラン」は、どのような情報を重視して作成するのですか?
澤山:
重視しているポイントは2つです。
もっとも重視しているのは「キーマンの抽出」。BDRとしてアプローチできる方の情報は限られているので、誰にアプローチすべきか、その方の役割は何か、といった人物情報の把握に注力しています。
もう一つが「システムマップ」の作成です。テックタッチは何かシステムがないと価値を発揮できないので、お客様が「どんなシステムを」「いつから」「誰が主導で」導入しているのか、といった情報を地図のように可視化しています。
冨田:
「人」と「システム」の2軸で、攻略のシナリオを作っていくのですね。とはいえ、システムなどは外部から情報収集するのは非常に難しいのではないでしょうか?
澤山:
まずは導入事例のページなどWeb上の情報から仮説を立てますが、そこからはアカウントエグゼクティブとの連携が不可欠です。彼らが商談の中でヒアリングしてくれたシステムの情報をフィードバックしてもらい、その情報を基に私たちは別部門のキーマンにアプローチする。
この共同作業によって、システムマップを完成させていきます。BDRが獲得したアポイントを単なる「点」として渡すのではなく、アカウントエグゼクティブと一緒に情報をつなぎ合わせて「線」にしていくイメージです。

冨田:
アカウントエグゼクティブとの連携で情報の密度を高めていくのですね。このお話からも、皆さんの活動がいかに緻密で、実行難易度が高いかが伝わってきます。情報の収集と整理には多くの時間をかける一方で、成果が出た際のインパクトも大きいのでしょう。
こうした取り組みの根底にある、BDR組織がインサイドセールス活動の戦略全体を通して大切にしていることを教えてください。
米田:
私たちのミッションは「大手企業の受注確度が高いパイプラインを最大化すること」です。そして戦略の根幹には、「徹底した事前調査に基づく仮説構築」を置いています。
例えば、ニュースサイトで「基幹システムを刷新した」という情報を見つけたとします。それをフックに、「どのような課題があったのか」「新システムへの定着は順調か」といった仮説を立ててアプローチを組み立てます。このように、ターゲット企業の課題やニーズを、AIなども駆使して深く調査して、一社一社に合わせたアプローチシナリオを日々考えています。
冨田:
とても一社一社のお客様を大切になさっているのですね。
上下関係は生まれない。プロフェッショナル集団としての組織論
冨田:
アカウントエグゼクティブとBDRチームがバディとして緻密に連携されている様子がよく分かりました。一方で、インサイドセールスが営業組織の中にあると、営業とインサイドセールスとの間に上下関係が生まれてしまうという悩みもよく聞きます。
テックタッチ社は、どのようにしてインサイドセールスとアカウントエグゼクティブが対等な関係性を築いているのでしょうか??
澤山:
それぞれが、お互いのために何ができるかを常に考えているからだと思います。
アカウントエグゼクティブからの指示を待つだけではなく、私達からアカウントエグゼクティブに対して能動的に「この企業のこの方にアプローチしてみてはどうですか?」と提案しています。この意識がチーム全体で共有されているので、どうすれば受注につながるかを一緒に仮説立てしながら動いているので、そこに上下関係は生まれません。

米田:
目指す方向は同じで、横並びで走っているイメージです。
それに、私たちの組織ではインサイドセールスを「アカウントエグゼクティブになるための修行の場」や「登竜門」とは位置づけていません。BDRはBDRという独立したプロフェッショナルである、という考え方が根付いています。
冨田:
素晴らしいカルチャーですね。成果に対する評価制度も、そのプロフェッショナル性を支える上で重要かなと思いますが、特徴的な仕組みはありますか?
米田:
私たちの給与体系にはインセンティブ制度が取り入れられています。頑張って成果を出せば、その分だけきちんと自分に返ってくる仕組みです。
冨田:
内資企業でインサイドセールスにインセンティブ制度があるのは珍しいですね!
米田:
外資系企業ではよくあると思いますが、国内ではまだ少ないかもしれませんね。それと、評価制度とは別に大きな特徴として「称賛のカルチャー」が挙げられます。
BDRがアポイントを獲得すれば、非常に大きな商談につながる可能性があります。だからこそ、たった1件のアポイントでも営業チームをはじめ他の部署のメンバーが「BDRすごいね!」と心から称賛してくれるんです。
半期に一度開催される全社オフサイトでも、達成率が高いBDRメンバーが表彰される場があり、長友と澤山も前回表彰されていました。社内でBDRが脚光を浴びる機会は、比較的多いです。
冨田:
成果が正当に評価され、称賛される。それがプロフェッショナルとしての誇りを育んでいるのですね。活躍している方に、共通する特徴はありますか?
澤山:
やはり「自発的な学習意欲」が高い人は多い気がします。私たちが向き合うお客様の業界も、そこで使われているシステムも多種多様です。常に新しい知識をインプットし続けないと、お客様と対等にお話しすることができません。
他の職種の方から情報を積極的に取りに行ったり、自分で勉強したりする姿勢が非常に大事だと感じています。
パフォーマンスの底上げで日本一のインサイドセールス組織へ
冨田:
テックタッチ社では最近、AI活用も進んでいますよね。BDRチームではどのような取り組みをしていますか?
米田:
BDRの業務効率化と品質向上の両面で、AI活用を積極的に進めています。例えば、GoogleのGeminiとは別に、我々が独自に導入しているAIツールがあるんです。ツールで企業名を指定すると、私たちが知りたいIR情報や中期経営計画、ニュースリリースなどをAIが一瞬で収集・要約してくれます。
これまでBDRが多くの時間を費やしてきた事前リサーチの作業が、このツールによって半分以下になりました。手作業では見つけられなかった情報も拾ってきてくれるので、リサーチの品質そのものも向上しています。
長友:
以前は、中期経営計画の読み込みと訴求ポイントを合わせて文面作成をすることに時間がかかっていました。
AIを活用することで、中期経営計画の読み込みや企業の直近のDX周りの取り組み、経営課題の抽出と仮定作成など、メール作成の前半部分をAIに任せることで、とりわけ重要な個別化と提案内容の作成にBDRのリソースを割くことができるようになりました。
米田:
AIによる業務効率化は、1、2年前では考えられなかった変化をもたらしています。日々働き方が変わってきているのを実感します。良いものはどんどん取り入れて、BDRの業務をアップデートしていきたいです。
冨田:
これからのさらなる進化に期待ですね。最後に、皆さんの今後の目標を聞かせてください。

澤山:
入社以来目標数字を継続して達成してきています。これを再現性のある仕組みに昇華させ、チーム全体の成果を最大化することに貢献していきたいです。
長友:
インサイドセールスチームのメンバーは年々増えています。彼らがプロのエンタープライズBDRとして活躍できるよう、知識の標準化を進めていきたいです。
そして、少し先の未来の目標としてインサイドセールスという職種の価値を業界全体で高めていきたいと考えています。「テックタッチのBDR出身」という経歴が、どこに行っても通用するような、そんな誇れるチームにしていきたいです。
米田:
私は入社以来ずっと言い続けているのですが、「日本一のインサイドセールス組織を作ること」が目標です。数字を達成するのはもちろんですが、メンバー全員が毎日楽しく働き、互いに成長を実感できる。そんな組織が理想です。
幸い、今のチームはその理想に着実に近づいていると感じています。これは私一人の力では決して実現できないので、ここにいる長友、澤山をはじめ、チーム全員でこの目標に向かっていきたいです。
冨田:
どれも素晴らしい目標ですね。
皆様はインタビュー中とても軽快に話してくださいましたが、その裏側にはメール一通に至るまで血を通わせるような、非常に地道で泥臭く丁寧な活動を繰り返されているのだと強く感じました。エンタープライズBDRに「近道はない」のだと、改めて痛感しました。
皆さんは今後、テクノロジーも活用しながら組織のパフォーマンスの平均値を高めることに注力していくということで、その進化が非常に楽しみです。
米田さん、長友さん、澤山さん、本日はありがとうございました!

今回の「THE LEADERS」は、お楽しみいただけましたか?本シリーズでは、今後も各業界で活躍するインサイドセールスのリーダーをお招きして対談を行います。次回もぜひ、ご覧ください。
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