商談数を増やしたい

ゼロから始める法人営業
新規事業を立ち上げたラネットの挑戦

株式会社ラネット

課題と効果

課題

  • 新規事業のため、ターゲット企業がどこなのか検証する必要があった
  • 法人営業のノウハウが少なく、新規商談数獲得に苦戦していた

効果

  • テストマーケティングから実施したことで、ターゲット企業が明確になり、顧客解像度も上がった
  • 商談獲得数は過去実績比で約2倍増加
  • 事業フェーズを考慮して商談の数よりも質を追求し、オフライン商談へ踏み出した結果、有効商談数が増加

国内通信事業者の携帯電話・通信サービスの販売及び代理店業務 、MVNO事業を中核としており、コンシューマ向けのビジネスをメインで展開している株式会社ラネット。
同社は2022年4月より、世界50カ国以上で住居・施設の総合セキュリティ・プラットホームサービスを展開するAlarm.com (米) 社のソリューションを、日本仕様にローカライズしたネットワークカメラサービス「キヅクモ」の提供を開始した。
キヅクモは「スマートな気づきを与えるクラウドサービス」として、主にBtoB向けの新規事業として展開された。

BtoCからBtoBへとビジネスモデルが異なる新規事業を展開することとなった同社では、担当メンバー全員が法人営業経験がないという大きな課題がありました。
取材では、営業現場がその課題をどう乗り越え、事業拡大に向けて今も前進しているのか、御三方にお伺いしました。

株式会社ラネット
執行役員 事業創造本部長

齋藤 眞一朗様(右)

事業創造本部 新規事業部 キヅクモセクション

中川 夏希様(中)

事業創造本部 新規事業部 キヅクモセクション

宇野 智貴様(左)

未経験の法人営業を効率よく始めるために、インサイドセールスを選択

ーーまず、皆様のお役回りやミッションについて教えてください。

齋藤:
キヅクモ含む、新規事業創造の役割を担っています。事業全体の定量管理や、サービス企画などの責任者をしております。

中川:
キヅクモチームの営業の統括として各営業の状況を確認・管理を行い営業活動を円滑にすることがミッションです。主に、商談(アポイント)の質や量をメインで見ており、営業メンバーへ商談の割り振りをしたり、その後追いを行なっています。

宇野:
中川のもとで、キヅクモサービスの営業を行なっており、キヅクモサービスの利用者を増やしていくことがミッションです。SALES BASEからトスアップされる商談の対応も行なっています。現在のチームメンバーとしては8名ですが、営業に特化したメンバーとしては4名です。
また、契約いただいた後のフォローアップといったカスタマーサクセス領域も担当しています。

ーーBtoBという新たな領域で新規商材をリリースした背景、インサイドセールスをアウトソーシングした理由について教えてください。

齋藤:
弊社は、創業以来モバイルショップの運営を続けており、店舗立ち上げ時には必ず防犯カメラの設置をしているのですが、防犯カメラは店舗にとって何か良くないことが起きた時に見返すだけの”ネガティブな投資”というイメージが強いんです。以前よりそれらをテクノロジーを駆使して便利なものとしての投資にできないかという課題感を持っていました。

スマートホームのサービス化を検討する中で、海外で事業拡大しているAlarm.com社と出会い、防犯だけではなく店舗の売上を上げていくためのソリューションとして、キヅクモというサービスをリリースするに至りました。

齋藤:
コンシューマー向けのビジネスがメインなのですが、モバイルの法人営業部隊も保有しているため、法人営業経験のあるメンバーも社内にいました。

一方で、モバイル商材とキヅクモで特色が違ったという問題がありました。立ち上げ当初は、既存のお客様向けにビジネスを展開できるという仮説のもと事業を立ち上げたのですが、モバイルが必要なお客様とネットワークカメラが必要なお客様は全く異なるターゲットということに気づいたんです。
つまり、自社の保有リストではなくアウトバウンドで新規顧客を開拓しなければいけないという状況でした。

そんな中、外部の方から「それならインサイドセールスがお勧め」だと助言をいただき、本格的に導入を検討し始めました。

齋藤:
インサイドセールスを内製化することで社内にノウハウが蓄積される点は魅力的でした。
一方で、新規商談を獲得するためにアウトバウンドコールをするチームも経験者もいませんでした。そういった状況下で、自前で責任者クラスを採用する、稼働メンバーも採用し教育もするとなると、いつまで経っても始められない。費用対効果が出るまでに時間がかかることは明白でした。
そのため、知見が豊富でインサイドセールスを手軽に立ち上げられるアウトソーサーに依頼した方が、費用対効果が良いという判断に至りました。

新規事業の拡大フェーズかつアウトバウンドのアプローチリストが不足していたため、「柔軟な対応をしていただけるか」「データベースが豊富か」「導入しやすい費用感か」といった点を中心に、複数社比較をしました。
特にSALES ROBOTICSさんが提供するSALES BASEは、実質1人月の費用感でトークスクリプトの作成や顧客リストも提供してもらえるので、自社で準備することなくインサイドセールスを始められる点が魅力的でした。

事業フェーズを基準に目標設計をし、オンライン商談からオフライン商談へ

ーーインサイドセールス立ち上げ後、まずは何から実施しましたか?

中川:
インサイドセールスを導入するのが初めてだったため、段階的に始めることにしました。まずは、キヅクモのニーズがどこにあるかを明確にする必要があったため、テストマーケティングを実施する検証フェーズからスタートしました。

具体的には、SALES ROBOTICSさんが過去にご支援されていた類似商材で成果の出ていた業種をもとに、どこをターゲットにしたら良いかというところからご提案いただきました。また、弊社が攻めたい業種などについても協議していただき、結果ターゲット企業を3業種まで絞り込んでいきました。

宇野:
提案いただいたターゲットは弊社内でも想定していたものと概ね同じで、事業理解度の高さを感じました。一方で、金融などのターゲットもご提案いただいたのですが、当社として業界のニーズにマッチしにくいのではないかという懸念もあったため、そこは柔軟に変更いただきました。

最初のターゲット選定を双方で議論し合えたのも良かったです。

中川:
ターゲット企業はあくまで仮設だったので、最初はとにかく反応を見るために商談の質よりもアポイントの数を重視しました。検証期間は3ヶ月弱ほどで、良い点と悪い点どちらも効果検証できたのはよかったです。
効果の良し悪しは、アポイント獲得率の高さや有効商談数といった定量面、インサイドセールススタッフさんの所感といった定性面の両軸で確認しました。

特に、お客様が興味を示している訴求やキーワード、逆に反応がイマイチな内容やお断り理由などのデータは、業種ごとにどういったニーズがあるか判断することに役立てられました。

一方で、遠隔監視のニーズがあると仮説立ててアプローチしたものの、お客様がイメージしていたサービスと当社のサービスに微妙なズレがあったり、業種的に「親会社にしか導入権限がないので無理です」というお断り理由が多かったです。当社のサービスと合いそうだったが、実際は合わない部分があったといったネガティブな側面も見えましたね。

ーー定期的に実施する活動結果の振り返りに対する率直なご意見をお聞かせください。

中川:
御社からいただいた報告書には、商談獲得後の有効案件数、架電に対するインサイドセールススタッフさんの所感など、事細かに記入いただいています。

また、定例会以外でも、御社の窓口担当である大竹さんから頻繁にご連絡をいただいております。
具体的には、「セグメントしたターゲット300社にアプローチしよう」となった際も、「商談の所感はどうでしたか?」「アプローチした結果、このような意見がありました」など、途中経過を逐一ご報告いただけており、非常に助かっております。

施策の状況をリアルタイムで共有していただけるのは、営業組織を見ている身としては非常に安心しております。担当外であろうお願いをしてしまうこともあるのですが、それらにもご対応いただけており、今ではなんでも大竹さんに相談するほど信頼しています(笑)。

齋藤:
私は立場上、当社社員が商談した結果をメモで確認することが多いのですが、御社にアポイントを獲得していただいた時に、お客様とのコミュニケーションやニーズといった情報を詳細に記載いただいているので、それを元に商談がスムーズに進んでいるなという印象を受けています。
何よりも、アポイントを獲得することがメインになっているというより、私たちが商談しやすいようにという配慮がされており、成約に向けて同じ方向を向いて戦うパートナーだと感じています。SALES ROBOTICSさんにお願いして良かったと思っています。

宇野:
私からも被せていいですか(笑)。実際に商談に向かう身としても、SALES BASEからトスアップされる商談獲得メモは非常に参考にさせていただいております。

例えば、お客様の「現在の状況」に関するメモです。現在カメラは設置しているのか、何年使用しているのか、ローカルカメラなのかネットワークカメラなのか等、詳細にヒアリングいただいているため、提案前の事前準備に役立てることができます。
また、サービス説明に対する「それはいいですね」「ぜひお話聞いてみたいです」といった、お客様のリアルな反応もメモに残してあるので、事前にシミュレーションがしやすく大変助かっています。

抱えている課題やニーズなど、会話の糸口が見える状態で商談に臨むので、どういう提案を持ち込むかといった商談の前準備が非常にやりやすくなりました。

齋藤:
定例MTGで御社の営業責任者である鈴木さんから「今のラネットさんにとってのキヅクモは、お客様に導入した実績を作るフェーズなので、アポイントの獲得数よりも成約を取ることが先決だと思います。」との提案を受け、成約を取るためにどうすれば良いのかといった議論も行いました。

その結果、全国へのアプローチから、成約の可能性が高い対面で商談ができる特定のエリアに絞り込んでアプローチすることになったのですが、そうすると商談獲得率は下がってしまいます。
成果が出づらくなるため、インサイドセールス支援会社様にとっては嬉しくないことだとは思うのですが、それでも「今のラネットさんには成約を1件でも出すことが先決です」と力強く推してくださり、安心して成約にフォーカスした活動を行おうという覚悟ができました。

このように、我々の事業フェーズに合わせた最適なプランを提案していただけるので、パートナーとしての頼もしさを強く感じました。

中川:
テストマーケティングの期間が終わり、成約に繋がりやすいであろうターゲット企業も見えてきたので、まさに今成約に向けて施策を動かしていただいている最中です。

商談獲得数が約2倍増加したことで営業の場数が増え、営業組織全体の顧客解像度も上がった

ーーオンライン商談からオフラインでの商談に切り替えたとのことですが、営業現場では変化などはありましたか?

宇野:
やはり、オンライン商談と比べて実際に商品を手に取っていただけたり、サービスをお見せしながらご提案できるので、お客様のサービス理解度は高くなったなと肌で感じました。
オンライン商談の頃と比べると、見積もりの提出を求められることも増え、次のステップへとつながることが増えたと思います。

弊社としても、実際に手に取ってもらいながら説明した方が上手くいくのではないかと思っていたものの、その機会をなかなか作れずにいたので、訪問営業での効果検証を通じて当社のサービスは対面での提案が向いているんだなと再認識できました。

中川:
オフライン商談の施策を始めたのは、今月(※3月取材当時)からなので、具体的な数字としての成果はまだ出ていないですが、営業メンバーの反応や手応えという面での変化は感じています。
目の前でお客様の反応が見えたり温度感がわかるというのはオフラインならではだと思いますので、商談獲得率が下がったとしても、オフライン商談を獲得する施策に変更してよかったなと感じています。

ーー導入後の具体的な成果について教えてください。

宇野:
顧客解像度が上がったことは成果として強く感じています。今までは、仮説を持ってお客様に提案しても全く刺さらないことも多くあったのですが、商談獲得時点でお客様の課題やニーズが見えるようになったので「こういう提案は刺さらないけど、こういうニーズはあるんだな」といった部分が見えてきたのは、営業組織にとっては嬉しい気づきだと思います。

また、顧客解像度が上がったことに付随して、自分たちのサービスの提供価値がより具体的にもなりました。様々なカメラサービスがある中でのキヅクモサービスのポジショニングが明確になりました。

営業現場でも電話をかけていますが、商談獲得やリード獲得率の高さは、さすがプロだなと感じています。インサイドセールスは、職人技で時間のかかる専門性の高い業務だということを痛感しています。

中川:
商談獲得数は、インサイドセールス実施前と比較して194%増加しました。月平均ですと6.2件から18.25件にまで増加しており、自分たちで営業の新規商談数を増やすのがどれだけ難しいことだったのかを痛感しました。

商談件数が格段に増えたので、その分提案する回数が増えたのはわかりやすい成果だと思います。 宇野の話にもあった通り、実際にお客様の生の声が聞ける機会が増えたので、営業組織全体の顧客解像度が上がっていることも実感していますね。

ーーインサイドセールスを実施する中で上手くいかなかったことはありましたか?また、それらをどのように改善していきましたか?

宇野:
テストマーケティング段階での話にはなりますが、ターゲット選定と仮説ですね。建設業に対して、国土交通省が提唱している「遠隔臨場」というキーワードをフックに商談を獲得しにいくという施策を行いました。
建設業界のトレンドということもあり、アポイントの獲得率は10%とかなり高かったのですが、実際に商談をしてみると「ウェアラブルカメラを想像していた」といった声が上がったり、キヅクモではカバーできなかったりと、認識の違いが多く起きました。

攻め方を間違えたものの、そのあとはキーワードを使わずに商談を獲得しに行くという方法に変更をして改善していきましたね。失敗というよりは、お客様とのコミュニケーションを通じてニーズをしっかり把握できたのは良い気づきだったと思っています。

中川:
いざ施策を実行したとしても、方向性が間違っていたり、効果が微妙だったりすることは往々にしてあると思います。むしろ、それらが発覚したタイミングですぐに修正をできるかどうかが重要です。そういった観点では、トークスクリプトの変更などもスムーズに行っていただけたので、改善スピードは非常に早かったと思います。

SALES ROBOTICSは、伴走しながら新規事業を拡大していくパートナー

ーーSALES BASEは、どのような方にお勧めしたいですか?

齋藤:
事業創造の責任者という立場から、新規事業の担当者さんに強くおすすめしたいです。
新規事業というのは、マーケットも未知数でどのようなお客様がターゲットになるのかということを試行錯誤しながら見つけていくプロセスが、重要だと思っています。

SALES BASEは、新しいサービスや事業のお客様はどこにいるのか、 どうやってそれを見つけ出すのか、そのお客様にどんな価値を届けられれば、私たちと会っていただけるのかというところを相談・検証できる、パートナーとして伴走してくれます。

中川:
私は営業マネージャーという立場から、ターゲット企業や攻め方が分からないという企業様におすすめしたいです。
弊社の場合、新しい事業を展開していくなかで法人営業のノウハウもなく、私自身も法人営業は未経験という状態でマネージャーを務めている状況でした。新規商談数をKPIに置いているのですが、上司である私が新規商談をどう獲得していけば良いのか分かっていないので、営業メンバーたちもどうしたら良いのか分からないという悪循環が起きてしまっていました。

そこで、インサイドセールスをSALES ROBOTICSさんにお願いしたことで商談数が増え、どういったところに営業をかけていくべきなのか、どういう強みを活かしていけばいいのかといったところが社内の共通認識として持てたので、本当によかったと思っています。
また、商談を獲得して終わりではなく、商談の先である成約に向けて一緒に動いてくださるので、ノウハウがない企業様にも非常におすすめだと思います。

宇野:
実際に現場で商談に出向く立場としては、新規商談や提案先を自分たちで掘り起こせないような状況にある企業様におすすめしたいです。

営業現場もサービスのことは理解し、良いサービスだという思いはあるものの、それらが市場のお客様に刺さるのかどうか、という仮説検証ができていない状況でした。そのため、提案先を自分たちで見つけられない、何をしたらいいのか分からないといった状況が課題としてあったので、SALES BASEを通じて仮説検証の機会を作っていただけたのは、非常にありがたかったです。

そういう意味では、事業立ち上げたものの仮説検証を十分に行えていない企業様や、すぐにでも効率的に検証したいといった企業様にもおすすめだと思いますね。

ーー御社の今後の展望について教えてください。

齋藤:
キヅクモの次のフェーズという意味では、インサイドセールスの力だけではなくデジタルの力を通じて、すでに課題が顕在化しているお客様にも情報をしっかりと届けて行きたいです。

SALES ROBOTICSさんには、引き続きインサイドセールスで一緒にお客様の開拓を協力してもらいつつ、WEBインバウンドのお客様に対するフォロー活動というところでもお力を借りたいなと考えております。

会社概要

社名
株式会社ラネット
設立
2002年8月26日
事業内容
携帯電話、通信サービスの販売及び代理店業務、MVNO事業など
業種
情報通信・IT関連

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