商談数を増やしたい

ターゲットへのアプローチ方法の最適化で、
直販営業からパートナー営業への方針転換をサポート

株式会社ファミトラ

課題と効果

課題

  • 安定した顧客獲得コストの施策に集中し成果を出したかった
  • ペルソナの仮説は立っていたものの、注力すべきターゲットを検証し明確にする必要があった
  • アウトバウンドによるパートナーの新規獲得に対する、リソースやノウハウが社内に不足していた

効果

  • 商談獲得目標100件に対して、132件の獲得に成功
  • ターゲットを細分化、問題点の可視化と改善点の抽出→改善活動の実践を実施
  • 複数ターゲットへ同時にアプローチを行い仮説検証をしたことで、業界ごとのリードタイムの違いを把握。短期 / 長期目線で活動すべきペルソナが明確になった
株式会社ファミトラ様
株式会社ファミトラ:マーケティング本部長 水井 雄基様(右)
SALES ROBOTICS:SALES BASE事業部 Sales Development本部 アカウントマネジメント 一課 植田 晃輔(中)
SALES ROBOTICS:SALES BASE事業部 Sales Development本部 アカウントセールス 一課 平井 わか(左)

「家族信託」は、老後に備えて家族などに財産の管理・処分を託す制度です。株式会社ファミトラは「家族信託のコモディティ化」のため、短期間かつ低価格で家族信託ができる支援サービスを提供しています。

家族信託はこれからの日本社会の未来に欠かせない制度である一方、医療・介護業界でもまだまだ認知を獲得できていません。ファミトラ社はオンライン・オフラインの両チャネルを通じて、家族信託ならびに自社の認知拡大と顧客獲得を図ってきました。

今回ご支援した「パートナー獲得」は、同社がマーケティング戦略の方針を大きく転換することがきっかけでSALES ROBOTICSにご依頼いただきました。当時抱えていた課題やプロジェクトの成果を、水井様と振り返りました。

(取材・撮影・編集:高橋裕大 執筆:サトートモロー)

顕在顧客の獲得コストをコントローラブルにしたい

ーーファミトラ様の事業内容と、水井様が本部長を務めるマーケティング本部のミッションについて教えてください。

水井:
株式会社ファミトラは、財産・資産を家族へ託す「家族信託」という仕組みをDX化・低価格化したかたちでお客様に提供しています

高齢化社会の日本が抱える重大な社会課題のひとつに、「認知症による資産凍結」があります。認知症などで判断能力が低下してしまうと、有価証券や不動産などの資産の売却・購入ができなくなるほか、口座が凍結され預金の引き出し、定期預金の解約ができなくなる可能性があるのです。結果、介護費用など多くの負担を家族が背負うこととなってしまいます。

2030年には、国民総資産の約10%にあたる約200兆円が認知症患者に保有されると推計されています。これまで、家族信託は約半年間という長い期間膨大な費用をかける必要がありました。私たちはDX化により、期間・費用ともに従来の半分で家族信託を実行できるようにしました。

私はマーケティングの業務全般を管理しています。マーケティング本部の主なミッションは見込み客の獲得です

主な施策は「検索型広告」と「セミナー」の2種類です。検索型広告は家族信託をご存知なお客様に向けて、価格差で優位性を持つ弊社の認知を獲得することを目的としています。

一方、家族信託はまだまだ多くの人に知られていません。潜在的な市場の拡大に向けて、セミナーを通じた資産凍結のリスクと家族信託の理解度向上に努めています。

ーー今回、どのような課題を持って弊社にお声がけいただいたのでしょうか?

水井:
弊社ではかねてより、CAC(顧客獲得コスト)をコントローラブルにしたいと考えていました

家族信託の顕在顧客を効率よく獲得するという意味では、検索連動型広告がもっともスピーディに効果を出せる施策です。しかし、家族信託はニッチな市場であるため、オンライン広告単価は競合他社の入札状況によってすぐに乱高下します。
弊社で許容できるCACを上回ってしまうケースも出てくるなど、オンラインによる顧客獲得を前提に、事業計画を立てるのは難しいと考えました。

一方、セミナーによる集客は一定の成果が出ていたものの、リードタイムが長いため、顕在顧客獲得という観点では有力な施策とは言えませんでした。

そこで私たちは、従来のオンライン広告を停止してCACが安定しているオフラインの獲得チャネル開拓、つまりパートナー獲得へ方針転換したのです

ーーオンライン施策からオフライン施策へ、大きく舵を切ったのですね。

水井:
私たちが着目したのは、介護施設や病院、介護施設紹介事業者の方々とのパートナー契約でした。

家族信託の市場は、購買タイミングが非常に限定的という特性があります。日本では認知症患者の数が問題視されていますが、数が多いから行動を起こせるかというと必ずしもそうではなく、お客様が家族信託の組成に向けて行動を起こすのは、お客様の親御さんに認知症の傾向が見られ始めた頃となります。

そのタイミングでお客様とやりとりしている可能性が高いのが、介護施設や紹介事業者の方々です。ここにアプローチしてパートナーを増やすことによって、効果的にお客様との接点を作れるという仮説のもと、戦略を立てていきました。

株式会社ファミトラ様

福祉領域への深い理解と豊富な経験、対応の柔軟性が発注の決め手に

ーー自社で戦略が立っているなか、なぜ外部にインサイドセールスを委託しようと考えたのでしょうか?

水井:
営業活動を効率化したかったというのが主な理由です。今回の方針は、6ヶ月という期限でパートナー獲得につなげるという目標を掲げました。しかし、期限内に目標達成するにはリソースもアウトバウンドのノウハウも不足していました。

議論を重ねた結果、短期間でスピーディに目標を達成するには、すでに実績を持っている外部のパートナーに頼るほうが良いと判断したのです。

ーーSALES ROBOTICSを選んだ理由を教えてください。

水井:
私たちが重視していたのは、主に2点です。

1つ目は「ターゲットへのアプローチ経験」です
今回のターゲットは福祉領域の方々であり、営業味を帯びたアプローチでは敬遠されてしまう可能性があるため、この領域に精通している必要性がありました。

弊社はインバウンドがメインであり、ペルソナの仮説は立っていました。具体的には、病院、地域包括支援センター、社会福祉協議会、介護施設事業者、共済組合といった業種のお客様であれば、私たちのサービスの価値を感じていただけると考えたのです。しかし、この仮説を検証し、ターゲットを整理することができずにいました。

そんななか、SALES ROBOTICSの担当者には医療・福祉業界に精通している方もおり、弊社のサービスに対する理解度が高いだけでなく、仮説として上がっているターゲット業界に対する知識も豊富でした。お客様へのアプローチ方法について議論した際も、「この業界の関係者様は人情を大切にしているので、対面の説明を重視しましょう」と、業界特有の商習慣への理解もありました。

こうしたやり取りを重ねた結果、貴社と仕事を進めることで、仮説を検証しつつ私たちがバリューを届けるべきお客様を明確にできると感じたのです。

2つ目は「契約期間に融通が効くか」です
いつまでアウトバウンドを続けるかは不透明で、柔軟に対応してくださるパートナーにお願いしたいと考えていました。

私たちは6ヶ月という短期間で成果を上げなければいけなかったため、スピード感を求めていましたし、現在の仮説に基づいたアプローチが実を結ばなかった場合、すぐに違う業界(ターゲット)への切り替えも必要でした。

こうした状況において、約400万件という企業データベースを保有しているSALES ROBOTICSの情報網は、非常に魅力的だったのです。

ターゲットを細分化して仮説検証を繰り返し、誰にどのようにアプローチするべきかが明確になった

ーーファミトラ様の課題と目指したい姿を踏まえ、どのように戦略設計を行いましたか?

平井(SALES ROBOTICS):
まずファミトラ様からのご要望をお伺いし、6ヶ月という限られた期間でのプロジェクト、かつペルソナも仮説状態のため、ターゲットペルソナとそれに合わせた訴求の内容をスピーディに検証する必要があるなと考えました。

新規顧客開拓は、「セグメントはどこか」「ターゲットペルソナは正しいか」「正しい訴求はなにか」の3つが成果に繋げるには大切だと当社は考えています。
そのため、プロジェクト初期の打ち合わせでは医療業界に精通するメンバーも同席させ、すり合わせをしていきました。

株式会社ファミトラ様

ーーその戦略をもとにどのように活動を進めていったのでしょうか?

植田(SALES ROBOTICS):
ファミトラ様との事前打ち合わせにて、アプローチすべきターゲットは明確になっていました。そして、各施設に勤務するソーシャルワーカーやケアマネージャーの方々は、家族信託や資産凍結についての認知・理解度がまだ低いだろうという仮説も立てられていました。

そこで私たちは、アプローチする際は家族信託で施設(病院、介護施設、介護施設紹介事業者)とエンドユーザー(ご家族)が得られるメリットを、しっかり伝えることを意識しました。特に3施設それぞれに対しては、訴求の仕方を変えてアプローチしました。
また、短期間で成果を出せるよう、ターゲットを細分化してそれぞれに応じた訴求内容や架電する時間帯・曜日を定めていきました。

具体的には、アプローチ先の方々が大切にしていることや日々の悩みに寄り添えるよう、業務内容をネットや知見のあるメンバーを通じて調査をするとともに、エンドユーザーの悩みを理解するために、ファミトラ様へのヒアリングを行い、各施設への訴求方法を考えました。

例えば、病院や介護施設に勤務されている方々は、ホスピタリティ精神が強い傾向があります。そのため、エンドユーザーの悩みに寄り添う形で、資産凍結時のリスクヘッジとしてのメリットを、入院患者やそのご家族に焦点を当ててお伝えしました。
また、施設側のメリットとして、退院調整のしやすさや入居率の向上も訴求内容に落とし込みました。

株式会社ファミトラ様

ーーアプローチした結果はどうでしたか?

植田:
実際に、プロジェクトを開始してすぐ、各施設に勤務するソーシャルワーカーやケアマネージャーの方々の9割以上が、家族信託を知らないという事実に直面しましたが、認知度の低さに対して商談の獲得率は高かったです。

水井:
プロジェクト開始前の事前準備をしっかりしていただいたからこそ、弊社サービスの魅力がしっかりと伝わり、家族信託というサービスに多くの方が可能性を感じていただけたのだと思います。
そのおかげか、商談の段階でお客様は家族信託に対して興味関心を抱いていたので、非常に話を進めやすかったです。

平井:
興味関心のある方からの商談を獲得できたのは、ファミトラ様が丁寧なフィードバックをくださったことも大きな要因だと思います

「お客様とお話しできた段階で料金を明示してください」など、かなり具体的なフィードバックをいただくこともありました。報告会では何度も議論できたことで、商談につながるアプローチ方法の改善を早いサイクルで実践できました。

植田:
例えば、ファミトラ様からのフィードバックを参考に、介護施設紹介事業者へ商談前にあえて金額をお伝えすることで、サービスに関心を持っていただくという変更を加えたことがあります。
介護施設紹介事業者は、競合他社との差別化を図ることや売上を伸ばしたいというニーズを抱えているため、ファミトラ様と提携することによる金銭的なメリットを中心にお伝えをしたことで、ポジティブな反応が増えました。

ーーフィードバック以外では、どのようなコミュニケーションをとっていましたか?

水井:
SALES ROBOTICSとのやり取りは、非常にスムーズで快適でした。Slackではこちらの質問に対して、見やすいように要点を押さえつつも細やかに回答してくれたうえ、商談が取れたときの連絡も迅速でした。スプレッドシートや当社が指定したスケジュール調整ツールへの入力も、丁寧に対応してくれました。

植田:
今回のプロジェクトでは、ターゲットごとに商談の獲得条件が少しずつ異なっていました。それらが混同しないよう、電話も活用しつつ丁寧なトスアップを意識して、認識に齟齬が起きないようにしました。

また、トスアップする商談についても、ファミトラ様が商談しやすいよう、ヒアリング時に得られた定量的な情報はもちろん、電話口の方の雰囲気といった定性的な情報についても履歴に残すよう徹底していました。お相手の方がどのようなタイプや雰囲気の方なのかが事前にわかることで、商談の進め方や話す内容を工夫するなど進めやすくなるためです。

水井:
レポーティングは非常に高品質でした。ターゲットとのやりとりの履歴が非常に多く、年齢や印象など相手の定性情報も丁寧に回収してくれており、レポートで伝えてくださいました。

本プロジェクトでは、BtoBでの商談の経験が浅いメンバーも参加していました。そんなメンバーにとって、「優しそうな方」「50代」など詳しい情報があることは、お客様との商談に臨むうえで大きな安心感につながっていたと思います。

上記に加え、例えば商談を取れなかったお客様について、その理由を丁寧に言語化してくださいました。おかげで、スピード感を持ってアプローチの方法を改善できました。

株式会社ファミトラ様

ーープロジェクトで苦労したところはありますか?

水井:
アプローチするターゲットの優先順位付けに、時間がかかってしまったことです

今回は短期的なプロジェクトであり、時間をかけて細かなアプローチの改善やデータの検証すべきところにも、十分なリソースを回せなかったという背景があります。そのうえ、今回は複数の分野に対してアプローチと検証を行う必要があり、プロジェクト期間内でそれらすべての振り返りや検証をするには限界がありました。

例えば、今回のターゲットとした3者のうち、介護施設紹介事業者、病院、介護施設の順にリードタイムが長期化する傾向にありました。介護施設の場合、主にやり取りを交わすのは施設長です。施設長が入居者様のご家族に弊社の情報をお伝えして、ご家族が家族信託について問い合わせてくださることで商談の機会が生まれます。

ここで重要なのは施設長との信頼関係であり、定期的に施設へ足を運び、コミュニケーションを重ねて信頼を積み重ねる必要があります。

短期間で成果を出すという目標に対して、そこまでのリソースを割くわけにはいかない。結果として、介護施設へのアプローチを一旦止めるという決断を下しました

この判断自体は間違っていなかったものの、ターゲットの業者に対するデータを蓄積するには、早期にリードタイムが長い事業者へのアプローチ優先度を落とすという判断を下すべきだったと反省しています。

しかし同時に、今後の貴社とのプロジェクトでは、介護施設をはじめリードタイムが長い事業者とは中長期的な視点でアプローチするという見解を得られました。

植田:
特にグループ施設の場合、親会社の管理部で断られてしまうことが何度かありました。早いタイミングでこの傾向に気づき、優先順位を下げるご提案をすればよかったと思います。この反省は、貴社とのこれからのプロジェクトで活かしてまいります。

サービスの現在地の把握が、新たな市場機会の発掘と新規事業の立ち上げにつながった

ーー改めて、今回のプロジェクトの成果について教えてください。

水井:
定量面としては、「2ヶ月で合計100件のパートナーとの商談を獲得する」という目標に対して、132件の商談を獲得していただきました。それ以外の数字も、商談の獲得率10.4%、パーミッション(リード情報 + 継続連絡許諾)獲得率28.7%と、いずれの数字も素晴らしい結果に終わりました。

今回の商談で提携したパートナーからは、徐々にエンドユーザーの紹介も生まれつつあります。パートナーと関係構築をして、契約数を増やしていくことがこれからの課題です。定性面としては、顧客開拓におけるホワイトスペースを発見できました。実際に、あるパートナーと介護施設の紹介事業を立ち上げるなど、新しい取り組みを始めています。

ーープロジェクトを通して課題は解消されましたか?

水井:
以前より、家族信託の認知度は低く、ご両親の認知症による資産凍結リスクを認識している人が3割程度ということは、弊社のリサーチで把握していました。しかし、今回のプロジェクトによって、ソーシャルワーカーやケアマネージャーの9割以上が家族信託を知らないという事実を知り、驚かされました。

加えて、SALES ROBOTICSとのプロジェクトによって、ターゲットとすべきペルソナも明確化されたことも大きな前進につながったと思います。

弊社のサービスに価値を感じるお客様にアプローチして、家族信託についての認知度を拡大すれば、弊社のサービスは一気に広まる。そんな確信を得られました。

株式会社ファミトラ様

ーーSALES ROBOTICSインサイドセールス運用支援は、どのような企業にフィットすると思いますか?

水井:
営業活動に必要なリソースやノウハウが不足している事業者様には、きっとSALES ROBOTICSは大きな助けになると思います。SALES ROBOTICSは、アウトバウンドに必要なことをすべて代行してくれました。その結果を受けて、私たちは必要なディレクションに集中できたと感じます。

また、プロジェクトのなかで難しいと感じた部分についても、素直に「難しい」と報告してくださるため、活動に嘘がありません。極論かもしれませんが、「丸投げしても大丈夫」と言えるくらい、安心してプロジェクトをお任せできると思います。

ーー水井様、本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました!

会社概要

社名
株式会社ファミトラ
設立
2019年11月27日
事業内容
民事信託(家族信託)のマーケティング・コンサルティング事業「ファミトラ」の運営
従業員数
45名
業種
コンサルティング

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