インサイドセールスのメリットとデメリットを解説
インサイドセールスは、非対面で行う営業活動です。営業の効率化や見込み顧客に対するアプローチ方法を改善するために、自社へのインサイドセールスの導入を検討中の人もいるのではないでしょうか。
当記事では、インサイドセールスを導入する場合のメリットとデメリットを解説します。
インサイドセールスのメリット
インサイドセールスの導入を検討している場合は、インサイドセールスのメリットを理解しましょう。インサイドセールスの導入が自社に必要かを判断できるからです。
【インサイドセールスのメリット】
- 見込み顧客への継続的なアプローチができる
- 業務の効率があがる
- 営業コストを削減できる
たとえば、メール配信などアプローチ方法を顧客ごとに変えることができるため顧客の関心度合いに合わせて、最善の手段を実行することが可能です。
また、業務の効率化や営業コストの削減にもつながります。 インサイドセールスのメリットを把握したうえで、自社に導入するべきか判断しましょう。
見込み顧客への継続的なアプローチができる
インサイドセールスを導入することで、見込み顧客への継続的なアプローチができます。メールや電話などを活用して定期的に顧客に情報提供できるからです。
たとえば、顧客に対してヒアリングを行うことによって、顧客の課題や状況、関心度合いの高さなどを把握できます。顧客のニーズや状況変化にあわせ有益な情報を配信し続けることによって、顧客からの第一想起を獲得し、商談に繋げられる可能性があります。
第一想起とは、顧客の課題が顕在化したタイミングで一番最初に自社のことを思い浮かべてもらうことを指します。第一想起を獲得するためには、有益な情報を継続的に提供するなど、顧客とのコミュニケーションを取り続ける必要があります。
ただ、メルマガなどでコミュニケーションを取り続けることではなく、顧客にとってメリットとなる情報を継続的に提供することがポイントです。
このようにインサイドセールスは、メールや電話などを活用することで顧客に情報提供ができるため継続的なアプローチが可能となるメリットがあります。商談獲得率の低さに悩んでいる方は、インサイドセールスの導入を検討してみてください。
営業の業務効率があがる
インサイドセールスは、営業の業務効率を上げることができます。フィールドセールスと業務を分業できるほか、メール配信ツールなどを活用すれば一度で複数の顧客へアプローチすることができるからです。
また、顧客情報をSFA等のツールで管理することで、顧客情報のブラックボックス化を防いだり、パイプライン管理がしやすくなります。そのため、ボトルネックとなる箇所の把握が容易となり、業務改善のスピードも上げることが可能です。
たとえば、アポイントの獲得や見込み顧客の育成などそれぞれの業務を分担することで、作業量が減少し担当する業務に集中できます。コア業務を分担することで、ホットリードと呼ばれる「受注確度の高い顧客」からの問い合わせにもすぐに対応することができるようになるといったメリットもあります。
また、インサイドセールスは複数の顧客に担当者一人でアプローチを行うことができるため、少人数で営業の対応が可能です。
インサイドセールスは、営業担当者の業務範囲が限られ負担が軽減されるため、作業効率の向上につながります。また、営業担当者の業務が属人化してしまっている場合は、分業によって解消できる可能性があります。
営業コストを削減できる
インサイドセールスを導入することで、営業コストを削減できます。インサイドセールスは社内で行うことができるので、移動時間や交通費などのコストが発生しないためです。
たとえば、フィールドセールスのように訪問せずに営業を行うことができるため、移動時間や移動に使用する電車やタクシー代などの経費を削減することができます。
また、フィールドセールスにおいても、インサイドセールスから関心度合いが高い顧客との商談のみ供給されるため、時間的なコスト削減にもつながります。
なお、インサイドセールス導入によって、追加の人件費やツール導入費用などがかかる場合があります。費用の削減効果を期待する場合は、新たに雇用する上で発生する人件費と削減できる見込みのある費用を比較して検討を行いましょう。
インサイドセールスのデメリット
インサイドセールスの導入を検討している場合は、メリットだけでなくデメリットも把握しておきましょう。インサイドセールスを導入するかどうかの判断材料となるほか、デメリットへの対策を講じることができるからです。
【インサイドセールスのデメリット】
- フィールドセールスと連携する仕組みが必要
- ツールの導入が必要になる
- 顧客と信頼関係を築きにくい
たとえば、インサイドセールスでは非対面のため、顧客の反応や関心の変化がわかりにくいというデメリットがあります。インサイドセールスとフィールドセールスで営業を分担する場合、顧客情報を共有するなど連携する仕組みを決めなければいけません。
インサイドセールスの導入を検討している方は、デメリットを考慮した上で判断できるように各項目を確認してみてください。
フィールドセールスと連携する仕組みが必要
インサイドセールスとフィールドセールスを並行する場合、両者を連携させる仕組みが必要です。見込み顧客の引継ぎを行わないと、二度手間やトラブルにつながる可能性があるからです。
たとえば、フィールドセールスと顧客情報の共有をしなかった場合、顧客へ再度ヒアリングを行う手間が発生するほか、トラブルにつながる恐れや成約ができなくなる可能性があります。
また、受注確度の高い見込み顧客をトスアップするためには、マーケティングとの連携も必要になります。マーケティングからは、施策で獲得した見込み顧客の購買意欲や興味関心の共有、インサイドセールス部門からは商談化しやすいリードの条件の共有など、相互に共有した情報を、リード獲得やリードナーチャリングに活かすことができるからです。
インサイドセールスは、マーケティングと連携しながら顧客の育成と商談の獲得を行い、フィールドセールスへ顧客情報を共有することが大切です。各担当者と適切なタイミングで顧客の引継ぎを行うことで、受注率を高めることができるでしょう。
ツールの導入が必要になる
インサイドセールスを導入する場合、ツールの導入が必要になります。インサイドセールスの業務では、メールやオンラインでの顔合わせの際にツールを活用するからです。
ツールの種類 | 概要 | できること |
MAツール | マーケティング活動を可視化、自動化するツール | ・顧客管理 ・メール配信機能 ・シナリオ作成 ・分析機能 ・Webアクセス分析機能 ・お問い合わせフォーム、LP作成 |
CTIシステム | MAツールなどのデータベースと電話を連携し効率化させるシステム | ・ポップアップ機能 ・着信振分機能 ・通話録音機能 ・自動音声応答機能 ・モニタリング機能 |
SFAツール | 営業の管理、自動化する営業支援ツール | ・顧客管理 ・営業活動管理 ・営業日報作成 ・分析機能 ・スケジュール共有 |
オンライン会議ツール | PCやスマホを活用し、遠隔にいる相手と会議が行えるツール | ・録画、録音 ・画面共有(動画や資料の共有) ・複数人で通話ができる ・チャット機能 |
メール配信ツール | 目的に合ったメールを配信するツール | ・顧客リストの管理 ・メール一斉配信 ・メルマガ配信 ・セグメントメール配信 ・ステップメール配信 ・シナリオメール配信 ・顧客情報の差し込み機能 ・効果測定機能 |
たとえば、MAツールは、新規顧客の獲得や、見込み顧客の育成などのマーケティングを支援するための機能を持っています。CTIシステムと連携させることで、顧客の電話番号登録や顧客情報の表示、通話録音を自動で行うことができるため、業務の効率向上につながります。
また、営業支援ツールのSFAツールを導入した場合、顧客情報や業務の一元管理をする機能があるため、時間短縮になり作業の効率化ができます。
なお、インサイドセールスのツールについては「インサイドセールスツールを用途別に解説!おすすめやメリットを紹介」で詳しく解説しています。ツールの見直しや新たなツールの導入を検討している方は確認してみてください。
顧客と信頼関係を築きにくい
インサイドセールスでは、顧客と信頼関係を築きにくくなる恐れがあります。非対面のため商材の良さを伝えにくいほか、顧客の反応がわからずコミュニケーション不足になる可能性があるからです。
たとえば、メールや電話などでは顔を合わせて話ができないため、担当者の人柄が伝わらず顧客が不安や不信感を持つ可能性があり、信頼関係が築きにくくなります。また、顧客の反応や心境変化がわかりにくく、コミュニケーションが難しくなる可能性があります。
インサイドセールスを導入する場合、アプローチの頻度やコミュニケーションのとり方などから、顧客との信頼関係を築けるよう工夫しましょう。
インサイドセールス運用に向いているか確認する
インサイドセールスを導入したいと考えている人は、自社にインサイドセールスが向いているかを確認しましょう。企業の中には、インサイドセールスに向いていない業種や導入が難しい環境があるためです。
【インサイドセールス運用に向いているか確認するポイント】
- 扱う商材はインサイドセールス向きか
- インサイドセールスに適した人材を確保できるか
- インターネット環境が整っているか
- ツールの導入が可能か
- インサイドセールスを導入した組織体制づくりができるか
たとえば、オーダーメイドや実際に手に取って確認する必要がある商材は説明が難しく時間が掛かるため、インサイドセールスには不向きです。
また、インサイドセールスを導入する場合、フィールドセールスとは異なる営業方法のためインサイドセールスの知識をとり入れた組織体制づくりが必要です。
なお、インサイドセールスを導入する流れを確認したい人は「インサイドセールスを立ち上げるための5つの手順【事例あり】」を参考にしてみてください。
まとめ
インサイドセールスの導入を検討中の人は、メリットやデメリットを把握することに加え、自社がインサイドセールス運用に向いているかを確認することも大切です。インサイドセールスは導入までにツールの導入や人材の確保などの準備が必要ですが、営業の効率化が可能となるため、営業コストを抑えるなど営業の効率化を図りたい企業にとってメリットになります。
インサイドセールス導入にメリットがあると判断した場合は、自社の商品やオフィス環境などがインサイドセールス運用に向いているかを踏まえた上で、導入を検討してみてください。
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