プル型営業とは?プッシュ型との違いやメリット・デメリット、手法まで解説
営業は、プル型営業とプッシュ型営業の2種類に分けられます。プル型営業とは、顧客から問い合わせや資料請求など、アクションを起こしてもらえる仕組みを作り、そのアクションに対して営業する方法です。
本記事では、プル型営業のメリット・デメリットや、主な手法について紹介します。プル型営業について詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。
プル型営業とは
営業には、大きく分けてプル型とプッシュ型の2種類があります。まずは、プル型営業とプッシュ型営業の違いから解説します。
プル型営業とプッシュ型営業の違い
プル型営業とプッシュ型営業の違いは次の表の通りです。
プル型営業 | プッシュ型営業 | |
---|---|---|
営業の対象 | アクションを起こした顧客 | 企業が決めたターゲット |
即効性 | なし | あり |
1回のアプローチ数 | 多数 | 1組 |
持続性 | あり | なし |
手法例 | SEO・ウェビナー | 飛び込み営業・テレアポ |
それぞれの特徴について、以下で詳しく解説します。
プル型営業の特徴
プル型営業は、顧客からのアクションによって情報を得て、営業を行う手法です。顧客からのアクションとは、問い合わせや資料請求のことを指します。SEOやウェビナーが、代表的なプル型営業の手法です。
近年では、購入前にインターネットを利用して商品の情報を収集し、比較することが主流となっています。資料請求や問い合わせ用の入力フォームを用意し、得たい情報を入手するための項目を設置しておけば、自社の製品やサービスに興味を持っている顧客の情報を入手することができます。
プッシュ型営業と比べて受注までのプロセスが長くなるため中長期的な施策にはなりますが、多数の顧客に持続的にアプローチできます。
プッシュ型営業の特徴
プッシュ型営業は、製品やサービスを販売したい企業側が、積極的にアプローチを仕掛ける手法です。代表的な手法として、飛び込み営業やテレアポが挙げられます。
1回につき1件の顧客にしかアプローチできないため、闇雲に営業活動を行うと成果が出にくいのが特徴です。そのため、一般的には自社の顧客を分析し、購入する可能性が高い層をターゲットとしてアプローチします。
プル型営業と比べて顧客の情報を得るまでの手間はかかりますが、接点を持った後はプル型営業よりも受注までのプロセスが短く、早めに成果を出せるという魅力があります。
プル型営業のメリット
プル型営業には、次のようなメリットがあります。
- 商談化率が高い
- リソース管理が効率化する
- 信頼関係が構築できる
- お客様のニーズが見えやすい
- 長期の費用対効果が高い
それぞれ、詳しく解説します。
商談化率が高い
プッシュ型営業の場合、自社の製品やサービスを認知していない顧客に対して、商品やサービスを説明し、メリットを感じてもらったうえで商談化につなげなければなりません。しかし、プル型営業の場合には、顧客が商品を認知した状態で問い合わせを受けられます。
そのため、プッシュ型営業と比べて商談や受注につながる確率が高まります。例え最初のコンタクトですぐに受注や商談につながらない場合でも、メルマガなどを利用した定期的なコミュニケーションを続けることで、商談化や受注の確率を引き上げられるのが特徴です。
リソース管理が効率化する
テレアポやメールなどの手段で行うプッシュ型営業の場合、自社の商品やサービスを購入する見込みがない顧客にも、リソースを割かなければなりません。しかし、プル型営業の場合には、ある程度自社商品に興味がある、または認知している相手に営業を行います。
そのため、無駄なリソースを割くことなく営業にかけた時間や費用に対するリターンが大きくなります。
信頼関係が構築できる
プッシュ型営業では、顧客側でなく販売する企業側のタイミングで売り込みを行います。営業活動が業務の支障になってしまうと、印象が悪化し、信頼関係を構築するのは難しいでしょう。
しかしプル型は、顧客にとって必要な情報をタイムリーに提供する営業手法です。そのため、営業による印象悪化を避けられます。また、結果を急がず顧客主体で情報提供を継続する手法であるため、顧客と良好な関係を構築しやすい点もメリットです。
顧客のニーズが見えやすい
プル型営業では、Web上で顧客がどのように活動したかを分析し、どのような商品・サービスに興味があるのか、どのような悩みを抱えているか把握しやすい点がメリットです。分析結果を基に商品やサービスを提案すれば、より高い効果が期待できます。
長期の費用対効果が高い
プル型営業では、一般的に仕組みさえ構築出来れば広範囲に効果が持続するという特徴があります。最初に仕組みの構築にリソースを割く必要はあるものの、構築後は施策の効果が広範囲に持続するため、長期的に見ると費用対効果が高い点が、プル型営業のメリットです。
プル型営業のデメリット
プル型営業にはデメリットもあります。主なデメリットは次の通りです。
- 成果が得られるまでに時間がかかる
- 提案の自由度が低い傾向がある
それぞれ、詳しく解説します。
成果が得られるまでに時間がかかる
プル型営業では、SEOや展示会などの施策を利用します。SEOでは、自社のオウンドメディア運用などを行い、コンテンツが狙ったキーワードで上位に表示されるまで、数ヵ月かかるのも珍しいことではありません。また、展示会の場合にも、出展を申し込んでから実際に展示会が開催されるまでには、やはり数ヵ月かかります。
そのためプル型営業では、成果が出るまでに少なくとも数ヵ月程度は必要なことを見込んで準備しなければなりません。
展示会で成果を出すための方法はこちら
→【チェックリスト付き】展示会出展 完全ガイドブック
提案の自由度が低い傾向にある
プル型営業では、顧客がはっきり自分のニーズを把握していることが多い傾向があります。どの製品をどのように利用したいかまで決めている場合もあり、提案の自由度は低くなりがちです。
ただし、顧客側が利用したいと考えている製品が、必ずしも顧客の悩みに沿ったものとは限りません。そうした場合には、問題点を丁寧に解説し、顧客のニーズに合わせて再度ヒアリングを重ね、適切な提案を行う必要があります。
プル型営業の手法
プル型営業には、主に次のような手法があります。
- メルマガで情報提供
- SEOで流入を増やす
- セミナーでの情報提供
- SNSで自社及び商品の認知拡大
- リファラルマーケティングで認知・流入拡大
それぞれ、詳しく解説します。
メルマガで情報提供
Webサイトに掲載されている資料をダウンロードする際、メールアドレスを入力してもらうようなシステムにしておけば、メールマガジンで情報提供を続けられます。
資料請求をしたものの、すぐには商品やサービスを購入しない場合もよくあります。メールマガジンで情報提供を続けていれば、商品が必要になった時に思い出してもらえる可能性が高まるでしょう。
SEOで流入を増やす
SEOとは、検索エンジン最適化のことです。SEOを行い自社サイトが検索エンジンの上位に表示されれば、アクセスの流入が期待できます。
ユーザーはそれほど多くの検索結果を見ないため、狙ったキーワードで検索結果の1ページ目に入れるような施策が必要です。自社サイトにダウンロード資料や問い合わせフォームなどを設置して顧客情報を入手できる部分を設けることで、リード獲得に貢献することができます。
Webサイトは、企業と顧客の接点となる重要な役割を担います。SEOは、プル型営業に欠かせない基本的な手法です。
セミナーでの情報提供
顧客が求める情報を提供するために、セミナーを開催する方法もあります。オンラインでのセミナーは、ウェビナーと呼ばれることもあります。
セミナーで提供する情報が有益なものであればあるほど、多くの見込み客を集めることが可能です。自社商品を利用する人はどんな悩みを抱えているか調査し、その悩みについて知識を得られるようなセミナーを開催しましょう。
満足度が高く、自社に興味を持ってもらえるようなセミナーを開催するためには、ペルソナを明確にして、抱えている課題や疑問に直接応えられる内容にすることが重要です。
お客様からの希望があれば、セミナー後に商談を実施することも可能です。
成果の出るウェビナーの開催方法はこちら
→【チェックリスト付き】ウェビナー開催 完全ガイドブック
SNSで自社及び商品の認知拡大
SNSを活用すると、自社や商品の認知を高められます。SNSは拡散性の高さも魅力で、ユーザーにとって有益な情報であれば、一気に拡散されて多くの認知を得られる可能性があります。
Webサイトだけでなく、SNSも企業と顧客との接点として活用可能です。
リファラルマーケティングで認知・流入拡大
リファラルマーケティングとは、既存の顧客から自社や商品・サービスを推薦してもらう手法のことを指します。友達紹介キャンペーンを実施し、友人や知人を紹介した顧客にインセンティブを用意する方法が一般的です。
LINEやSNSで紹介しやすいような仕組みを作っておくと、さらに効果が高まります。
まとめ
プル型営業とは、顧客からのアクションに対して営業を行う手法です。即時的な効果は期待できませんが、一度仕組みを作ってしまえば、持続的に効果を得られるのが特徴です。
プル型営業にはさまざまな手法があります。この記事を参考に、自社に合うプル型営業の手法を探してみてください。
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