インサイドセールスで成果を出すためのコツを解説
インサイドセールスを担当している人の中には、成果を出すためのコツを知りたい人もいるのではないでしょうか。また、営業部門の担当者としてインサイドセールスの見直しを検討している場合もあると思います。
当記事では、インサイドセールスを導入している企業が成果を出すコツを解説しています。インサイドセールス担当者が成果を出すために意識するべきことも紹介しているので、参考にしてみてください。
インサイドセールスで成果を出すコツは定期的な見直しにある
インサイドセールスで成果を出すコツは、営業活動で蓄積した情報を活用した定期的な活動の見直しにあります。営業活動で得た情報や社会情勢の変化などを考慮しながら見込み顧客へ提供する情報を陳腐化させないためです。
【成果を出すために見直す項目】
- 見込み顧客にあったシナリオを設計できているか
- 見込み顧客に提供しているコンテンツや情報の質
- トークスクリプトの内容
見込み顧客にあったシナリオを設計できているか
営業活動におけるシナリオを更新していない企業は、それらを見直すことで成果を出せる可能性があります。営業活動を通して蓄積した情報によって、設計当時よりも明確な顧客像でシナリオを作成できるようになるためです。
営業活動におけるシナリオとは、見込み顧客の課題や悩みから商談成立までの道筋を想定した一連の流れのことを指します。
【シナリオを見直す際に必要な項目】
- ターゲット属性
- 見込み顧客の疑問点
- 見込み顧客のアクションに対する分岐
- 情報提供のタイミング
- 情報提供する内容
たとえば、設計したターゲットの属性が実際の顧客層とずれている場合、提供する情報や提案する課題解決策などに納得してもらえる可能性が低くなります。また、顧客のアクションに対する回答が適切ではない場合、顧客のニーズを満たせず商談獲得率や商談成約率に影響を与えます。
なお、見直しに活用する情報を蓄積するには、見込み顧客へのヒアリング内容や回答に対する反応パターンなどを設定しておく必要があります。インサイドセールス担当者がヒアリングで得られる回答などから、見込み顧客のフェーズ分けを行い商談の提案をすることで、想定したシナリオと実際の反応を比較するための情報を得ることができるためです。
そのため、営業におけるシナリオや見込み顧客の状態を判断する指標を設定していない企業は、見込み顧客の状態や商談の進捗状況によってフェーズ分けを行い、各フェーズの見込み顧客の反応を情報として蓄積できる状態を作っておきましょう。
見込み顧客に提供しているコンテンツや情報の質
見込み顧客に提供しているコンテンツや情報の質の見直しが必要です。営業のシナリオが適切に設計できている場合でも、コンテンツや情報の質が見込み顧客の求めるレベルに達していなければ関係性を継続できない可能性があるためです。
たとえば、比較資料が「自社商材の強調が過度になっている」「比較する商材の情報だけが少ない」「比較したい項目が記載されていない」と感じるようなものになっていると、見込み顧客へ不信感を与えてしまう要因になる可能性があります。
ほかにも、提供するノウハウや知識などが、見込み顧客の事業内容に合致していない場合は興味を持ってもらえません。そのため、情報を提供しても「メールを開封してもらえない」「商談に繋げることが出来ない」などの状況に陥ることが考えられます。
また、提供する情報の質のほかに、見込み顧客の購買意欲を見極めてコンテンツや情報を選択することも重要です。
見込み顧客の状態 | 提供内容 |
---|---|
認知 | ノウハウや知識など見込み顧客にとって有益な情報を提供する。 |
興味関心 | 導入効果や事例など導入後の具体的な効果をイメージできる資料を提供する。 セミナー参加や資料請求後のアフターフォローも重要になる。 |
検討 | 商材の詳細情報や比較資料などの検討に必要な情報を提供する。 |
見込み顧客へ提供する情報の質やタイミングは、インサイドセールスで成果を出すための重要な要素です。見込み顧客を育成するリードナーチャリングで思うように成果が挙げられていない場合は、情報の質や提供タイミングの見直しを検討してみて下さい。
トークスクリプトの内容を具体化する
インサイドセールスで成果を出すためには、トークスクリプトの内容が具体化されているかを確認します。営業活動を通して蓄積した情報をもとにトークスクリプトを見直すことで、自社が想定する見込み顧客に適した会話を行えるようになるためです。
また、トークスクリプトを具体的にしておくことで、担当者によるコミュニケーションの質のバラつきを避けることができます。これによって、受け答えのレベルを一律で引き上げることに繋がります。
なお、トークスクリプトを具体化していく上では、営業部署全体で「顧客からよくある質問」「良い反応を得られた情報やデータ」「ヒアリングした課題」などのデータを蓄積しておく必要があります。
そのため、トークスクリプトの見直しを検討する場合は、営業部署の中にデータを蓄積する体制があるか、蓄積したデータがどのように管理されているかなどを確認するようにしておきましょう。
見込み顧客からのヒアリングを意識する
インサイドセールスの担当者が成果に繋げるためには、見込み顧客の悩みや課題などのヒアリングが重要です。見込み顧客の抱える課題や悩みを引き出すことによって、顧客のニーズ把握や信頼関係の構築に繋がるためです。
しかし、ヒアリングしたい項目を機械的に質問していても、顧客ニーズや課題を引き出せないことがあります。その場合は、見込み顧客の潜在ニーズを引き出し商談への雰囲気づくりが行える営業フレームワーク「SPIN話法」の活用を検討してみましょう。
質問項目 | 質問例 |
---|---|
Situation(状況) | 目標達成にはあと何件商談獲得が必要ですか? |
Problem(問題) | ヒアリングが思うように進まないことはありませんか? |
Implication(示唆) | 見込み顧客の事前情報が足りずに、ヒアリングが定型的になっていませんか? |
Need-payoff(解決質問) | 顧客のニーズに対して適切な質問と提案を行えるSPIN話法の活用を検討してみませんか? |
SPIN話法を活用すると、見込み顧客が言語化出来ていない潜在ニーズを引き出すことができます。このフレームワークは「事前に質問を想定しておくこと」が重要になるため、導入している商品や見込み顧客の状態の調査などの準備が必要です。
なお、SPIN話法を使用する場合、「顧客が抱える潜在的なニーズを引き出せる」「信頼関係を構築できる」といった利点がありますが、質問ばかりになってしまうと顧客に不快感を与えてしまう可能性がある点に注意しましょう。
また、SPIN話法に加えて「BANT」というフレームワークの併用も検討してみてください。BANTは「予算」「決裁権」「顧客ニーズ」「導入時期」の頭文字を取ったもので、商談の成約に必要な情報をヒアリングするために有効な手法です。
定期的に振り返りを行いナレッジ化する
インサイドセールスが継続的な成果をだすためには、対話内容やヒアリングの質、提案の反応などの振り返りを行う体制が必要です。振り返った内容を社内で蓄積しておくことで様々な改善につなげることができるからです。
たとえば、トークスクリプトの改善です。見込み顧客から喜ばれた情報やよくある質問を担当者間で共有しナレッジ化しておくことで、自分のみでは得られなかった知見を見込み顧客との会話に取り入れることができるようになります。
また、リード獲得に使用するコンテンツにヒアリングした具体的な悩みを解決できる情報を入れることで、リードの獲得率が向上する可能性があります。
インサイドセールスの担当者が定期的に見込み顧客との会話などを振り返ることで、担当者全体の経験を取り入れることができるようになります。
加えて、振り返りだけで終わらずにナレッジ化しておくことで、営業の属人化防止にも繋がるため、定期的な振り返りの機会を設定することを検討してみてください。
成果を継続するためには担当者の育成方法を検討しておく必要がある
インサイドセールスが継続的な成果を出すためには、インサイドセールス担当者の育成方法についても検討が必要です。担当者の異動や退職などによって人員の入れ替えが起こった場合でも、同じように成果を出せるような体制が必要になるためです。
育成手法 | 概要 |
---|---|
トークスクリプトの確認 | トークスクリプトや営業シナリオを把握する。 想定質問に対する返答を覚えることで、平準化されたスキルを手に入れることができる。 |
ロールプレイング | 教育担当者が見込み顧客の役割を担い、電話や対面など実際の形式で営業トークを行う。実際の営業トークを実践できるため、スムーズの対話できるようになる。 |
商談へ同席 | 先輩社員が担当する実際の商談へ同席または、録音した音声を確認する。見込み顧客の実際の反応を確認することができるため、より実践に近い雰囲気を学べる。 |
また、育成方法を決定した後は、スキル習得を評価するための制度や指標の設計が必要です。たとえば、トークスクリプトやビジネスマナーなどのテスト問題を作成し、取得した点数によって評価を行う方法があります。
ほかにも、実際の商談形式で先輩社員と営業トークを行い、評価を決定する方法があります。ただし、評価するための指標を設けていない場合、担当する社員によって評価にバラつきが生まれてしまう可能性があるため注意が必要です。
なお、インサイドセールス担当者を育成する手法には様々なものがありますが、育成には時間やコストが掛かります。また、教育を担当する人材の捻出も必要になるため、担当者の育成は、組織として許容できる範囲を明確にして設計する必要があることに留意しておきましょう。
まとめ
インサイドセールスの成果を出すコツは、営業シナリオの設計やトークスクリプトの内容、提供している情報の質などを定期的に見直すことです。営業活動を通して、見込み顧客が抱える課題や悩みなどの情報を蓄積できるためです。
定期的な見直しを行うためには、組織的に情報の蓄積を行う必要があります。そのため、見込み顧客から得られる課題や悩み、提案に対する反応などを共有できる環境を整える必要があります。
また、インサイドセールス担当者も成果を出すためにヒアリングを意識したコミュニケーションが求められます。ヒアリングが思うように進まない場合は、営業フレームワークのSPIN話法やBANTなどを活用してみましょう。
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