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営業戦略で活用できるフレームワーク10選と活用メリットを紹介!

営業で売上を上げるためには戦略が欠かせません。しかし、科学的な裏付けがある効率的・効果的な戦略を立てるのには、相当の時間と手間がかかります。そこで、営業戦略の立案をサポートしてくれる「フレームワーク」を利用するのがおすすめです。

フレームワークを活用すると、営業戦略を効率的に立案でき、自社の課題の原因も特定しやすくなります。今回は、営業戦略に活用できるフレームワークの特徴とメリットを解説します。

フレームワークとは?

ビジネスにおける「フレームワーク」とは、経営環境や課題を分析するためのテンプレートのことです。フレームワークを活用することで、課題解決や意思決定などがスムーズに行えるようになります。

ビジネスのフレームワークにはさまざまな種類があり、後述する「3C分析」や「SWOT分析」などが有名です。一方、私たちが日常的に使っている「5W1H」(いつ(When)・どこで(Where)・誰が(Who)・何を(What)・なぜ(Why)・どのように(How) )も、課題解決や意思決定をサポートするという点では、フレームワークのひとつだといえます。

フレームワークの種類によって、分析できる内容や方法が異なるため、目的や課題に合わせたフレームワーク選択が重要です。

営業戦略と営業戦術の違い

営業とは「物やサービスを売ること」です。その成果を最大限に高めるためには、新規顧客の開拓・既存顧客の維持と優良顧客化がスムーズに行える、最適な営業戦略が欠かせません。そのためには、まず「営業戦略」と「営業戦術」の違いを理解しておく必要があります。

そもそも、「戦略」は最終的に勝つための大局的・長期的な計画、「戦術」は戦略を実現するための短期的な計画の積み重ねを指します。つまり、営業目標を達成するための中長期的なプランが営業戦略で、その営業戦略を実現するための短期的な施策が営業戦術ということです。

たとえば、「売上高を1割増やす」という営業目標があるとします。それを実現するための営業戦略として、インサイドセールスCRMツールの導入などが考えられるでしょう。さらに、営業戦略を実行に移すためには、インサイドセールスの担当者や手法、CRMツールの運用計画など個別の営業戦術を立てる必要があります。
このように、営業は「戦術→戦略→目的」という流れで進むことを意識すると、営業戦略と営業戦術の違いがわかりやすくなるでしょう。

営業戦略にフレームワークを活用するメリット

営業戦略にフレームワークを活用することで、以下2つのメリットが得られます。

・営業戦略立案にかける時間を削減できる
・戦略を見直しやすくなる

営業戦略立案にかける時間を削減できる

フレームワークを活用することで、現状の課題を把握しやすくなり、営業戦略を策定するまでの時間を削減できます。誤った営業戦略を立案してしまうと成果が出ないため、戦略策定前に入念な分析・調査を行う必要があります。

しかし、フレームワークがない場合は、切り口がない状態から始めないといけません。フレームワークを採用すると、分析する対象や指標などの要素が大まかに決まります。そのため、進むべき方向性が定まりやすく、営業戦略立案の効率化が可能です。

戦略を見直しやすくなる

フレームワークの活用により、自社の課題点の特定や戦略の見直しが行いやすくなります。業績を向上させるためには、自社のどこに課題があるかを見極めたうえで、原因を特定する必要があります。

たとえば「新規顧客の獲得数が少ない」という課題がある場合、「人員不足」「商材とターゲット層のアンマッチ」「競合他社への顧客流出」など、原因はさまざまです。フレームワークは、過去の事柄を体系化して、成果を出すための道筋をパターン化したものなので、スムーズな課題解決に役立ちます。

営業戦略を立てる際に気を付けること

営業戦略を立案する際は、以下3つのポイントに注意が必要です。

・新しいアイデアが生まれにくくなる可能性がある
・戦略立案はあくまで「仮説」に過ぎない
・1つのフレームワークだけでは不十分

新しいアイデアが生まれにくくなること

前述したように、フレームワークは過去の事例から作られた、パターン化したテンプレートです。そのため、フレームワークは既存事例と類似する要素の分析には長けていますが、思考が限定されることも少なくありません。新しいアイデアを生むためには、フレームワークを使う「目的」を常に念頭に置くことが重要です。

戦略立案は仮説に過ぎないこと

フレームワークで策定した営業戦略は、あくまで「仮説」に過ぎず、実行が伴わなければ効果を発揮できません。営業戦略の策定から実行のプロセスにおいて、KPIの設定とPDCAを回し続ける仕組み作りが重要です。営業戦略を策定しても、いざ実行の段階へ移るとうまくいかないこともあります。戦略の見直しを柔軟に行うためにも、効果を測定できるKPIと、評価と改善を続けるためのPCDAサイクルを意識しましょう。

1つのフレームワークだけでは不十分

営業戦略のフレームワークを1つだけ採用しても、基本的には多面的な分析はできません。一方向から行う分析だけでは、自社の現状や課題を正確に把握することは困難です。あらゆる方向から客観的に分析するためには、複数のフレームワークを組み合わせる必要があります。ただし、情報が多すぎると戦略立案にかえって時間がかかるようになるので、関連性の高いフレームワークを厳選して採用することが重要です。

営業戦略の立て方のポイント

営業戦略を立案するときは、以下4つのポイントを意識しましょう。

・自社の中長期的なビジョンを目標に据える
・市場を決め環境を把握する
・見込み顧客を獲得し、育成する
・契約獲得のためのクロージングを重視する

自社の中長期的なビジョンを目標に据える

まずは「自社の中長期的なビジョン」を目標に据えましょう。前述したように、営業戦略は「目標達成のための中長期的な計画」のことです。中長期的な目標がしっかり定まっていなければ、短期的な営業戦術も不安定になります。たとえば、「売上高を半年後に現状の120%まで上げる」「1年後に受注数を現状の2倍にする」など、明確な時期と数値目標を定めるのが理想的です。

市場を決め環境を把握する

営業戦略を策定するときは、「内部環境」と「外部環境」を把握し、現状の課題点を洗い出すことが重要です。内部環境は、主に自社のリソースやブランド力、組織体制などを指します。一方で外部環境は、市場における自社のポジションや成長性、経済的な要因などのことです。

内部環境を分析する際は、営業担当者の人数や予算、利用できるツールなど自社のヒト・モノ・カネ・情報を見極めます。外部環境の分析時は、市場の顧客層とターゲット層のマッチングや、競合他社より優位に立てる点の把握などを行いましょう。

見込み顧客を獲得し、育成する

見込み顧客(リード)の獲得と育成は、ほとんどの営業戦略を成功させるために欠かせません。見込み顧客を獲得するための「リードジェネレーション」は、オンラインの場合はWebサイトやホワイトペーパー、オフラインでは展示会やセミナーの開催で行うのが基本です。

ただし、獲得した見込み顧客をクロージング(契約締結)まで誘導できなければ意味がないので、見込み顧客を育成するための「リードナーチャリング」のための施策が欠かせません。顧客の関心を高めるためのコンテンツ制作や、戦略的なDMやテレアポ施策を活用し、見込み顧客の確度を高めていきましょう。

契約獲得のためのクロージングを重視する

営業戦略を実施するときは、常に顧客を契約まで誘導することを意識しましょう。せっかく獲得した見込み顧客を放置したり、十分な育成を行わなかったりすると、顧客の購買意欲が低下して他社に流れてしまいます。顧客のニーズに合わせた臨機応変な施策を展開することで、競合他社への流出を防ぎつつ、自社商品・サービスを購入してもらえるようになります。

営業戦略の立案に使えるフレームワークとは

営業戦略の立案に役立つ以下10種類のフレームワークについて、概要と使い方を解説します。

  • 3C分析
  • SWOT分析
  • 4P分析
  • 5W1H
  • TOWS分析
  • STP分析
  • VRIO分析
  • PEST分析
  • ロジックツリー
  • バリューチェーン分析

3C分析

「3C分析」は、外部環境や競合他社の状況から、自社のKSF(重要成功要因)を導き出すための分析フレームワークです。3C分析は以下3つの要素から成り立ちます。

  • Customer「市場・顧客」
  • Competitor「競合他社」
  • Company「自社」

使い方

3C分析は、まず販売しようとする製品について、市場環境をマクロとミクロの視点から分析します。「外部に脅威となる要素はないか」「市場に成長の見込みがあるか」「利益を著しく圧迫する存在はいないか」などを見ていきます。次に、顧客層や属性、競合他社について把握します。そのうえで、自社の製品・サービスを競合と比較して、経済価値・希少性・模倣困難性など、市場における自社の強み・弱みを明確化します。

SWOT分析

「SWOT分析」は、外部環境と内部環境、資産やブランド力など、自社の力を分析するためのフレームワークです。SWOT分析は以下4つの要素から成り立ちます。

  • Strength「強み」
  • Weakness「弱み」
  • Opportunity「機会」
  • Threat「脅威」

使い方

自社のおかれる環境を意識しながら、「活かすべき強み」「克服すべき弱み」「市場機会の可能性」「回避すべき脅威」の4要素を分析します。

4P分析

「4P分析」は、営業戦略の立案・実行プロセスのひとつである「マーケティングミックス(4P)」を考えるための分析フレームワークです。4P分析は以下4つの要素から成り立ちます。

  • Product「製品・サービス」
  • Price「価格」
  • Place「流通」
  • Promotion「販売促進・広告宣伝」

使い方

4つのPを複合的に分析・戦略立案することで、4P分析は初めて効果を発揮します。以下のように、各要素間で整合が取れていることも重要な要素です。

Product:機能・品質・デザイン・保証などトータルで「顧客のニーズをどのように満たすのか」「顧客が自社製品を利用するメリットは何か」などを分析します。

Price:製品・サービスを顧客にいくらで提供するかを決めます。「顧客が感じる価値にふさわしい金額か」「競合他社と比べてどうか」「採算が取れるか」などを検討します。

Place:製品やサービスの販売場所や流通経路について、「どこでどのように販売するのか」「ターゲット層に確実に提供できるか」などを検討します。流通経路は、プライスと中間マージンの整合性を図ることが重要です。販売場所は消費者に与える影響が大きいので、パッケージやブランド戦略との整合が必要です。

Promotion:販促の方法や広告宣伝について取り扱います。「いかに見込み顧客に認知してもらうか」「既存顧客に使い続けてもらう方法」「既存顧客に別商品を購入してもらうための施策」などを検討します。

5W1H

「5W1H」は、物事を相手に効率的に伝えるための、コミュニケーションフレームワークです。5W1Hは以下6つの要素から成り立ちます。

  • When「いつ」
  • Where「どこで」
  • Who「誰が」
  • What「何を」
  • Why「なぜ」
  • How「どのように」

使い方

5W1Hは物事を簡潔にまとめられるので、伝達が必要な場面で誤解を減らし、コミュニケーションの円滑化を図るために役立ちます。5W1Hには4P分析の考え方も含まれているので、4Pでの分析時に戦略が断片化してしまったときは、5W1Hと組み合わせると1つの戦略として整理できるでしょう。

When:あらゆる「いつ」を分析するのに使用されます。自社製品のみならず、競合の販売時期やキャンペーンの期間などを分析し、最適なタイミングを導きます。

Where:商材を顧客に届けるための、販売チャネルや流通経路などの分析に使用します。実店舗やECサイトなど、顧客が利用しやすいチャネルは検討します。

Who:ターゲット層の具体的なペルソナ像を考えます。年齢や性別だけではなく、生活スタイルや趣味にまで踏み込んで、ひとりの顧客像を作り出すことが重要です。

What:自社の商品やサービスを分析します。商品の価値や品質だけでなく、「顧客に提供できる価値」も考えることが重要です。

Why:商品やサービスを販売する目的を考えます。顧客目線で「なぜその商材を欲しがるか」を分析することで、商材のコンセプトや価値の再発見にもつながります。

How:ターゲット層に商材はブランドを認知してもらうための方法を分析します。WebサイトやSNS、広告やDMなどさまざまな方法が考えられます。

TOWS分析

「TOWS分析」は、前述したSWOT分析の4要素を踏まえて、具体的な戦略を策定するための分析フレームワークです。TOWS分析は以下4つの要素から成り立ちます。

  • 「強み」×「機会」:自社の強みを活かして機会を拡大する戦略
  • 「強み」×「脅威」:自社の強みを活かして脅威に対処する戦略
  • 「弱み」×「機会」:自社の弱みを補完して機会を逃さない戦略
  • 「弱み」×「脅威」:自社の弱みと脅威を最小化するための戦略

使い方

TOWS分析では、自社を多角的に分析できるので、より現実的で具体的な施策の立案に役立ちます。TOWS分析の実施時は、「実現性」「有効性」「重要性」「コスト」などのポイントをチェックしましょう。

STP分析

「STP分析」は、自社がターゲットとすべき市場や顧客層を見極めるための分析フレームワークです。STP分析は以下4つの要素から成り立ちます。

  • セグメンテーション「市場の細分化」
  • ターゲティング「対象とするセグメント」
  • ポジショニング「セグメント内での立ち位置」

使い方

セグメンテーションは、同様のニーズをもつ顧客層ごとに、市場を細分化することを指します。細分化した市場を「セグメント」と呼び、明確なターゲット層の設定に役立ちます。

ターゲティングは、細分化したセグメントから、狙うべきターゲット層を絞り込むことです。自社の強みを最も発揮しやすいセグメントに絞り込むことが重要です。

ポジショニングは、セグメントにおける自社の立ち位置を決めることを指します。自社商材と競合を明確に比較するために、価格・品質・ノウハウなどの指標を設定し、客観的に検討することが重要です。競合と同じポジションを狙うのではなく、自社の強みを活かせるようにしましょう。

VRIO分析

「VRIO分析」は、企業が持つ経営資源を分析するためのフレームワークです。VRIO分析は以下4つの要素から成り立ちます。

  • Value「経済的価値」
  • Rarity「希少性」
  • Imitability「模倣困難性」
  • Organization「組織」

使い方

Value:自社が経営資源が顧客や社会に対して、どのような価値を提供できているかを評価します。たとえば、自社が保有する設備が売上拡大につながっている場合は、この評価が高くなります。

Rarity:自社の経営資源の希少性を評価します。希少性が高ければ、競合他社が類似した商品やサービスを作りにくいので、優位な立場でビジネスを展開できます。

Imitability:競合他社が自社商材を模倣しにくいかを評価します。もし模倣しやすければ、市場での優位なポジションを維持し続けるのは難しいということです。

Organization:経営資源を有効に活用できている組織かを評価します。優れた経営資源があっても、それを活かせる組織体制が整っていなければ、成果を上げることは困難です。

PEST分析

「PEST分析」は、マクロ環境が自社に与える影響を見極めるための分析フレームワークです。マクロ環境はビジネスに大きな影響を与えるため、PEST分析は中長期的な営業戦略の立案に役立ちます。PEST分析は以下4つの要素から成り立ちます。

  • Politics「政治」
  • Economy「経済」
  • Society「社会」
  • Technology「技術」

使い方

PEST分析では、自社にとって「プラス」と「マイナス」の要因となるものを整理できます。単体では営業戦略の立案に活かしにくいため、ほかのフレームワークとの連携が重要です。

Politics:法律・条例・税制・政権など、政治的な観点から市場環境を分析します。

Economy:景気動向・消費動向・株価・為替・物価など、経済的な観点から市場環境を分析します。

Society:人口・社会インフラ・世論など、社会的な観点から市場環境を分析します。

Technology:IT・インフラ・ビッグデータなど、技術的な観点から市場環境を分析します。

ロジックツリー

「ロジックツリー」は、ある問題に対して「Why(なぜ)」と「How(どうやって)」の問いを繰り返し、問題の要素を分解するためのフレームワークです。

使い方

「売上が伸びない」という問題を抱えている場合、たとえば「どうすれば売上を伸ばせるか」を考えます。仮に「顧客数を増やす」「顧客単価を上げる」という2つの要素に分解できたとしたら、次は顧客数を増やすために必要なことを考えましょう。このステップを繰り返すことで、根本的な原因の解決策が見つかります。

ロジックツリーは、図を書きながら進めることが重要です。思考を可視化することで理解しやすくなり、解決策を導きやすくなります。

バリューチェーン分析

「バリューチェーン分析」は、自社が生み出した価値が顧客に届くまでのプロセスを可視化するためのフレームワークです。

使い方

たとえば小売業では、企画→仕入れ→店舗→集客→販売というプロセスを経て、顧客に商品を提供します。それぞれのプロセスを分析すると、生み出す価値が大きなプロセスや、改善が必要なプロセスを明確化できます。自社の強みと弱みがわかるため、営業戦略の改善に役立ちます。

まとめ

営業戦略にフレームワークを採用する意味や、具体的なフレームワークの種類について解説しました。フレームワークの活用により、営業戦略の効率的な策定や改善が可能となります。分析手法によって営業戦略の適性や、営業活動の結果が大きく変わるので、この機会にフレームワークの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

この記事の著者WRITTEN BY...
スマタイ編集部
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