インサイドセールスの人事評価~設定するべきKPIと質を高める環境~
インサイドセールスをするにあたり、従業員のモチベーション維持に頭を悩ませる方も多いのではないでしょうか。この問題の解決策の一つとして、KPIを正しく設定するという方法が挙げられます。売上向上のためだけのKPIを設定するのではなく、従業員に対しても適正な評価をすることができるKPIを設定することにより、モチベーションアップへと繋げることが出来ます。
特にインサイドセールスは、個人の力量によって成果が左右される分、KPIを正しく設定、管理することが大切になってきます。今回は適正な評価をするため、またモチベーションを上げるためのKPI設定についてご紹介いたします。
インサイドセールス
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インサイドセールスとは
インサイドセールスとは、これまで営業マンが行っていた営業活動のうち、外回りとは異なる“非対面”の手段である「電話・Eメール・DM」などを用いて、顧客や見込み客との接触を行う、いわゆる内勤営業のことです。
国土が広く、全ての取引先をまわることが難しいアメリカでは、電話営業が活発であり、その部門の事をインサイドセールスと称していました。
そして、より良い、受注につながる見込みの高い商談を創出するために、インサイドセールスでは、BANTCH情報を取得することが大切だとわかっています。
【参考】
インサイドセールスとは?営業のプロセスを交えて解説
インサイドセールスのトークスクリプト | テンプレートや作り方のコツを紹介
具体的なKPIの例
適正な評価やモチベーションアップに繋がるKPIとしては、量と質の2つをバランスよく設定することが重要です。商材によってその内訳やウエイトは異なります。主な例を見てみましょう。
量のKPI
担当者が未経験などの場合では、まずはコール数や資料送付数と言った達成が可能そうなKPIをもとに活動量を決め、徐々にその回数を増やしていき、業務に慣れてもらうようにします。また、ある程度経験のある担当者も、必要な成果を出すために目安となる過去の行動量を参考に「量のKPI」を算出するようにします。
①コール数
コール数は、電話でのインサイドセールスにおける重要な活動量KPIです。1日に〇件、1週間に〇件などを設定します。
②資料送付数
資料送付数とは、WEBサイトへの訪問者や、問い合わせの方等へ送る資料送付の数のことです。個々人に送付するため、相手に合った資料や内容を考え送付する必要があります。これらの送付件数に目標KPIを設定してみましょう。
質のKPI
活動量(コール数)だけをKPIにしてしまうと、数ばかりを気にしてしまい、質の高いインサイドセールスが行われているとは限りません。質の高いインサイドセールスとは、『受注につながる商談』が創出できているか否かです。『受注につながる商談』の創出にはBANTCH情報の取得が必要です。BANTCH情報を取得するために、インサイドセールス担当者がクリアすべきポイント・達成の目安には、以下の3つがあります。極端に言えば質のKPIの各項目が満たせていれば、活動量は少なくてもいい、といった関係性が成り立ちます。
③コンタクト数(率)
コンタクト数とは、受付を突破し、見込み顧客となる担当者と実際に会話(コンタクト)を出来た回数を指します。同じトークスクリプトを使っていてもスピード・間・抑揚と言った表現の違いで受付を突破できる確率は異なります。BANTCH情報を収集するためには担当者と会話するのは最初の一歩です。担当者まで到達できているのか、受付突破スキルを測定するためにコンタクト数もKPIとして設定しましょう。
④商談化件数(率)
商談化件数とは、インサイドセールスにより創出された商談の件数のことです。架電をして、いざ見込み顧客とコンタクトが出来たとしても、電話口でBANTCH情報をはじめとした担当者の課題を聞き出せなかったり、肝心の商材紹介が出来ていなければ、「商談の創出」まで至りません。このKPIを設定することにより、どのスタッフがより自社に貢献出来ているのかを知ることが出来ます。
⑤受注数(率)
受注数とは、各担当者が行ったインサイドセールスによって創出された商談から、何件の受注が出来たのかを知ることのできる指標です。「量のKPI」と同様に単に商談を創出するだけ、アポの獲得をするだけでは受注につながる良い商談を創ることに貢献できていないどころか、営業担当者に見込みのない商談で時間をロスさせることになります。インサイドセールスは、営業の一部とはいえ、実際に自社に対してどのくらい貢献できているのか、どのくらいの売上を創出できているのかなどの数値を把握しづらく、モチベーションに繋がらないケースも少なくありません。受注数は必ずしも本人の努力やスキルにより達成できるものではありませんが、事前ヒヤリングを丁寧に聞けた商談が受注につながるという意味で設定することにより、組織としての意識をより高めていくことができます。
以上がKPI設定の例となります。
しかし、このKPIのうち①と②は努力や行動でカバーできますが、③以降はスキルや習熟度がモノを言います。経験の浅い方やリモート勤務によりマネジメントしづらい中、インサイドセールスの目的である「受注に繋がる良い商談を創出」を安定的に行うためには、スキルや熟練度の不足をシステムなどの環境を整えることでサポートすることも必要です。
より良い環境にするには
次に、インサイドセールススタッフの活動の質を高めるための環境づくりをご紹介します。
①ヒヤリング情報を「顧客カルテ」として統一する
営業にトスアップする商談にばらつきが生じないよう、インサイドセールス担当者がヒヤリングするべき項目・情報をあらかじめ定めて置き、顧客カルテとして入力欄を設けておきます。どの項目にどのような情報が入っていれば営業担当者が商談しやすいかを事前に分析しておき、インサイドセールス担当者は必要であれば複数回に分割してその情報を収集していきます。こうすることで手戻りの少ない商談トスアップが可能になります。
②CRMダッシュボード機能を利用
KPIの達成状況を、CRMのダッシュボード機能を利用し、可視化することで視覚的にもより分かりやすくすることがモチベーションの維持に効果的です。
この方法であれば、達成までの目安がリアルタイムで把握できるほか、スタッフ同士でランキング形式にすることもでき、競争心によるモチベーション向上を見込むことが出来ます。
③社内でナレッジ化する
数値化することにより、商談獲得が出来たときできなかったときが明確になります。特に前述した通り、2でご紹介した③~⑤は、元々個々のスキルによるものです。それらのスキルの特徴、例えばどういう文言や切り返しを使って商談獲得へつなげているのか等、成功した時や優れたスタッフの録音データをもとに社内でナレッジ化したり、ABテストを実施して確率を高めていきます。確率の良い方法を随時共有していくことにより、より一層効率よく成果を創出することが可能になります。
このようにシステムなどでインサイドセールス活動に携わる従業員の活動状況や熟練度の測定と補助を行うことによりモチベーションの維持・向上や客観的人事評価が可能になります。
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まとめ
ここまで、人事面におけるKPI設定についてご説明してまいりました。しかし、KPIの設定に関しては、単価が高いのか安いのか、購入検討期間が長いのか短いのか等、自社商材の特性によっても異なります。そのため、営業面と人事面、両側面を満足させることができるKPIを設定する必要があります。
また、KPIは一度設定したら終わりということではありません。よりよい営業活動へと導くために、どのKPIを設定するべきなのか、PDCAサイクルを回していくことが大切です。
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