オンラインセールスとは?向いている企業や導入の流れも解説
近年では、オンラインセールスを導入している企業が増えています。オンラインセールスとはどのような営業方法か知りたい人や、自社への導入を検討中の人もいるでしょう。
当記事では、オンラインセールスとは何かを解説していきます。向いている企業の特徴や導入の流れも解説するので、導入を検討している企業は参考にしてみてください。
オンラインセールスとはWEBで一貫して行う営業のこと
オンラインセールスとは、WEB上で顧客創出から商談までを一貫して行う営業活動のことです。電話やメールなどのアプローチ方法以外にも、オンライン会議ツールを活用し画面越しで顔を合わせることができるため、フィールドセールスと同様の営業を行えます。
オンラインセールスは、PCやタブレット、スマートフォンなどを活用して、顧客と直接対面することなくアプローチを行う非対面営業です。対面営業とは異なり、訪問を行わないことから商談日程を顧客の要望に合わせやすくなるほか、インターネット環境が整っていればオフィスや自宅など場所を選ばずに営業が行えるため、在宅で作業するといったさまざまな働き方ができます。
しかし、オンラインセールスはオンライン会議ツールを活用して商談を行うなど、独自の知識やスキルが必要です。組織体制や適した人材の有無など、自社の状況を踏まえた上でオンラインセールスの導入が可能かを判断しましょう。
インサイドセールスとは業務範囲が異なる
オンラインセールスとインサイドセールスは、非対面の営業という点では同じですが業務範囲が異なります。オンラインセールスは主に商談からクロージングまでを行いますが、インサイドセールスの場合は見込み顧客の育成が主な業務範囲です。
【オンラインセールスの業務範囲】
オンラインセールスとは、フィールドセールスが顧客へ訪問して行う商談を、インターネットを活用し非対面で行う営業方法です。インサイドセールスから引き継いだ顧客に対し、WEBツールなどを活用して商談対応やクロージング活動を行います。
一方、インサイドセールスはマーケティングとフィールドセールスを繋ぐ役割があり、マーケティングと連携しながらフィールドセールスに引き継ぐ見込み顧客を育成することが主な業務です。見込み顧客に電話やメールなどを活用してアプローチを行い、顧客の関心度合いが高まるタイミングでフィールドセールスに引き継ぎます。
オンラインセールスとインサイドセールスはどちらもWEB上で行う非対面の営業ですが、オンラインセールスはフィールドセールスの業務をオンラインで行うポジションです。ただし、場合によってはオンラインセールスが見込み顧客の育成を行うことや、インサイドセールスがクロージングまでを担うこともあります。
なお、インサイドセールスについて詳しく知りたい人は、「インサイドセールスとは?営業のプロセスを交えて解説」を確認してみてください。
オンラインセールスのメリット
オンラインセールスは、会社や自宅など場所を選ばす営業ができるほか、情報共有がしやすいなどWEB特有のメリットがあります。
【オンラインセールスのメリット】
- コストを抑えることができる
- 遠方の顧客とも商談ができる
- 情報共有がしやすい
オンラインセールスではインターネット上で営業を完結できるため、ペーパーレス化や移動に掛かる交通費の削減などさまざまなコストを減らすことが可能です。また、データ管理がオンライン上で行われるため情報共有がしやすくなるなど、複数のメリットがあります。
オンラインセールスのメリットを把握して、自社に導入するべきか検討しましょう。
コストを抑えることができる
オンラインセールスでは、経費や移動時間といったコストを抑えることができます。インターネット環境が整っていれば、オフィスや自宅、カフェなどさまざまな場所で営業を行えるからです。
フィールドセールスの場合、商談の度に移動が必要となり、公共交通機関の運賃や宿泊を伴う出張などの費用が発生します。また、移動に時間を費やすため訪問先によって1日の商談可能件数が左右されるほか、商談用の情報収集や書類作成に充分な時間が取れないなどの課題がありました。
一方、オンラインセールでは、商談ごとに場所を変える必要がないため1日の対応件数を増やせるほか、資料作成や情報収集などの準備にあてる時間の余裕ができ、商談内容の質の向上につながります。また、訪問が不要なので顧客との予定を合わせやすく、顧客の関心度合いが高まっている適切なタイミングで商談を行えます。
オンラインセールスでは場所を変えることなく商談を行えるため、営業に費やす時間や費用などのトータルコストを抑えることにつながるでしょう。
遠方の顧客とも商談ができる
オンラインセールスでは、オンライン上で国内外を問わず様々な地域の顧客と商談ができるため、営業の対象エリアを拡げられます。
フィールドセールスは顧客と直接顔を合わせて行う営業のため、自社から遠方である顧客先に訪問することができなかった場合、商談をすることができずに機会損失につながる可能性があります。
一方で、オンラインセールスでは自社と顧客側のインターネット環境が整っていれば、世界中の顧客へオンライン上でアプローチできるため、受注につながる可能性を増やせます。さらに、オンライン会議ツールがあれば、画面越しで顔を合わせて資料や書類を共有しながら商談することも可能です。
国内外に営業エリアを増やしたい企業や、フィールドセールスで訪問できない遠方の顧客がいる企業にとって、非対面営業のオンラインセールスは適した営業方法といえるでしょう。
情報共有がしやすい
オンラインセールスでは、営業担当者間での情報共有がしやすくなります。WEBツールで顧客創出から商談までを行うため、アプローチ方法や商談内容などのデータを蓄積し一元管理しているからです。
オンラインセールスは一貫してWEBツールを活用して営業を行うため、営業のデータがツールに蓄積され確認しやすくなります。営業に活用する情報がすべて記録されることにより、担当者以外とも営業内容の共有がしやすくなるほか、記録したデータの分析を行えることから業務の改善につなげることもできます。
また、オンライン会議ツールでは録音や録画機能が備わっているものが多く、商談の内容を音声や動画として記録することが可能です。音声や動画の商談データは、商談に不在だった人への情報共有や研修のための資料として活用できます。
オンラインセールスでは、顧客データや商談内容などがすべてデータに蓄積されることにより、業務の進捗状況などの確認や共有がしやすくなります。ただし、ツールによって記録できる内容や共有方法が異なるため、自社の課題に合わせた機能を持つツールを利用しましょう。
オンラインセールスのデメリット
オンラインセールスにはデメリットもあります。導入するための費用が発生することや、インターネットを活用する上での通信トラブルなど、ネット環境特有の問題が生じる可能性があるからです。
【オンラインセールスのデメリット】
- インターネット環境に影響される
- コミュニケーションが取りにくい
- 初期費用が発生する
オンラインセールスには複数のメリットがありますが、インターネットを使用する上でのトラブルや費用面でのデメリットも存在します。デメリットを把握することで起こり得る問題への対応策を立てられるため、オンラインセールスのデメリットも確認しましょう。
インターネット環境に影響される
オンラインセールスでは、インターネット環境に商談の品質が影響されます。インターネット環境が不安定な場合、映像が途切れるなどの通信トラブルにより商談が難しくなる可能性があるからです。
インターネットを活用するオンラインセールスでは、通信環境によっては商談を行うことができない場合があります。通信状態が不安定になることで音声トラブルや映像の途切れ、接続エラーなどにつながり、商談が中断すれば受注につなげることが難しくなります。
また、自社のインターネット環境が良くても、顧客側の環境が整備されていない場合は通信状況が不安定になる恐れがあります。オンラインで商談を行う際は事前に顧客のインターネット環境が整っているか確認することも重要です。
オンラインセールスを導入する際は、事前に自社と顧客側双方のインターネット環境が整備されているか確認を行い、通信トラブルへの対策を検討しましょう。
コミュニケーションが取りにくい
オンラインセールスでは、対面での商談と比較してコミュニケーションが取りにくいことがデメリットとなる場合があります。画面越しでのコミュニケーションの場合、顧客の温度感や感情の揺れ動きなど読み取りづらくなるからです。
たとえば、フィールドセールスでは表情を読み取って顧客の反応を見ながら会話できますが、オンラインで商談をする場合は、画面越しになるため顧客の表情や商材に対する関心度合いなど細かな変化がわかりづらくなります。
また、データや資料などを共有しながら説明した場合、顧客が資料を読むことに集中してしまう可能性があり、会話が一方的になりやすいです。オンラインセールスではフィールドセールス以上に顧客に気を配り、慎重にアプローチを行わなければ信頼関係の構築や商談の成功につなげることが難しくなります。
トークスクリプトの作成など商談の準備に加え、商談のシミュレーションなどの様子を録画し、問題点の改善や商談内容のブラッシュアップを行いましょう。
初期費用が発生する
オンラインセールスを導入する際は、初期費用が発生します。パソコンなどの機材、営業に使用するツールの導入、人材確保のための費用などが必要になるからです。
オンラインでの商談を行うにはPCやスマートフォン、タブレットといった機材の他にカメラとマイク、ヘッドセットを用意する必要があります。
また、顧客情報管理や営業活動管理など、営業支援や商談に使用するオンライン会議といったWEBツールが必要になり、すべて揃えるには費用が高くなるため予算に合うツールの検討をしなければいけません。
さらに、ネットやオンラインセールスに精通した人材が社内にいない場合、採用や育成を行うための費用が発生します。
ツールの使用料や電気代など維持費もネット環境を活用するために必要になります。オンラインセールスを導入する際は、初期費用や維持費などの試算を行い、得られるメリットとの見比べを行いましょう。
オンラインセールスに向いている企業
オンラインセールスには組織体制や商材、業種などにより向き不向きがあります。自社内の状況を踏まえてオンラインセールスの導入を検討しましょう。
項目 | 概要 |
---|---|
社内環境 | ・インターネット環境が整っている ・オンライン商談に適した環境がある(雑音が入らない会議室など) ・ネットリテラシーが高い人材が確保できている など |
商材 | ・無形商材(広告、金融、アプリなど) ・サブスクリプションサービス ・複雑な説明が必要ない商品(文房具など) |
業種 | ・広告代理店 ・IT業界 ・金融関係 など |
オンラインセールスはWEB上で営業を行うため、インターネット環境が整っている場所やオンラインセールスのスキルと知識を持つネットリテラシーが高い人材が必要です。
また、オンラインセールスは画面越しの営業であり、実際に手に取って確かめる商材や使用して試す必要のある商材などを扱う企業は向いていません。広告代理店やIT業界、金融関係など無形商材を扱う企業はオンラインセールスに適しています。
しかし、オンラインセールスに不向きの商材や業種でも、オンラインセールスを導入することが可能な場合もあります。商材の特徴が紹介できるような映像を用意することや商談前にサンプル品を郵送するなど、非対面でも商材の良さが伝わる工夫をしてみてください。
オンラインセールス導入の流れ
オンラインセールスを導入する場合は、以下の流れで準備を進めましょう。
項目 | 概要 |
---|---|
1 組織体制の構築 | ・オンラインセールスに必要な知識やスキルを持つ人材の確保 ・KGI、KPI設定 ・扱う商材の選定 ・シナリオ設計 など |
2 ツール導入 | ・オンラインセールスに必要なオンライン会議ツールや営業ツールの選定 |
3 マニュアル作成 | ・WEBツールの操作方法やオンライン商談のやり方など、オンラインセールスのマニュアル作成 |
4 商談に向けた準備 | ・ネット環境や商談ができる静かな環境の整備 ・機材準備 ・トークスクリプト作成 など |
オンラインセールスを導入する場合、まずは組織体制の構築が必要です。ネットリテラシーが高くオンラインセールスのスキルや知識を持つ人材の確保や、オンラインセールスに向いた商材の選定などを行いましょう。
組織体制が整ったら、ツールの導入やマニュアルの作成を行いオンラインでの商談に向けた準備を行います。環境の整備や機材の準備を終えたら、商談のシミュレーションを行いトークスクリプトの作成をします。
流れに沿ってオンラインセールスの導入を進めることにより、抜け漏れが起きる可能性が低くなり適切な準備を行うことが可能です。導入の流れを参考に、自社でオンラインセールスを行うための計画を立てましょう。
まとめ
オンラインセールスとはネット上の営業活動であり、画面越しで顧客と顔を合わせ資料の共有もできるため、フィールドセールスと同様の営業を行えます。
オンライン上で営業活動のデータをすべて管理できるため、記録された内容から分析と改善が行いやすく、遠方の顧客とも商談ができ営業エリアの幅を広げられることがメリットです。
しかし、フィールドセールスと異なりインターネット環境を活用するため、通信トラブルが起きやすいことやコミュニケーションが分かりにくいといったWEB特有のデメリットもあります。
商材や業種によって向き、不向きもありますが、機材や環境を整えるなどさまざまな準備や商談のやり方によっては工夫することができます。導入の流れなどを確認して自社への必要性や導入の可否を検討しましょう。
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