圧倒的な顧客理解でお客様の期待を超え続ける ログラス 松岡英寿・櫻田聖人 #THELEADERS
現場で活躍するインサイドセールスのキーマンに、SALES ROBOTICSの冨田貴徳が取材する連載企画「THE LEADERS」。
今回のゲストは、株式会社ログラスの松岡英寿さんと櫻田聖人さんです。
同社が提供するクラウド経営管理システム「Loglass(ログラス)」は、管理会計領域のなかでも主に「予実管理」を支援するプロダクトです。
経営の意思決定の質とスピードを高めるためにも、予実管理は欠かせません。計画を立てて予算を設定し、実績と比較・分析し次の意思決定へつなげる。経営に欠かせないデータの収集・統合・分析をオンリーワンで担うのが、「Loglass」なのです。
ログラス社は2024年7月、シリーズBラウンドを通じて70億円の資金調達を実現しています。松岡さんは同社のインサイドセールスをチーム黎明期から支え続け、また櫻田さんはBDRチームの立ち上げ・成長に尽力してきました。
今回はそんな二人に、ログラス社におけるインサイドセールス活動の特徴や、チーム組成で欠かせないポイントを伺いました。
(執筆:サトートモロー 編集:いいたかゆうた 撮影:小林一真)
松岡 英寿
株式会社ログラス 営業部 インサイドセールスマネージャー
大学在学中に複数社で長期インターンを経験。営業代行、人材事業立ち上げなどを経て、株式会社ログラスに新卒0期生として入社。インサイドセールスチームの立ち上げ〜チーム統括から、組織のカルチャー強化、ビジネスサイド採用など複数のプロジェクトに携わり、新卒最速で全社アワードを受賞。現在はISマネージャーとしてSDR,BDRを管轄すると同時に社内の新規事業開発プロジェクトにも参画中。
プライベートではフットサル・ゴルフ・カートが趣味で、複数社合同フットサル大会を定期開催。
櫻田 聖人
株式会社ログラス 営業部
1994年2月23日(現在30歳)、神奈川県寒川町生まれ。趣味は映画鑑賞、麻雀、散歩。
今年の3月に一児のパパになりました。
営業コンサルティング・アウトソース領域の企業を経て、株式会社Magic Moment に入社。Customer Success BPO(CS-BPO)として、クライアントのインサイドセールス組織立ち上げから成果創出までを推進。その後、エンタープライズ企業を中心に、Customer success 業務に注力しながら、Mgrとして10名のマネジメントを実行。現在は、株式会社ログラスにて、ミッドマーケットを中心にインサイドセールスに従事。能動的マーケット開拓に向けた少数精鋭ISチームをリード。
フィールドセールスと目線を合わせるための指標の設定
冨田:
松岡さん、櫻田さんのチーム内での役割について教えてください。
松岡:
私はインサイドセールスチームのマネージャーを担当しています。弊社では担当領域をエンタープライズとそれ以外のミドルマーケットで分類しており、私は後者の※SDR・BDRを管掌しています。
※SDR(Sales Development Representative)
インバウンド対応がメインのインサイドセールス。「反響型」の営業手法とも呼ぶ。
※BDR(Business Development Representative)
アウトバウンド対応がメインのインサイドセールス。「新規開拓型」の営業手法とも呼ぶ。
櫻田:
私は現在、ミドルマーケットのBDR領域を主に担当しています。
冨田:
ログラス社はシリーズA、Bと資金調達して、導入社数も6倍以上に伸ばすなど急成長を続けています。インサイドセールス組織も非常に強化し拡大されていますよね。
松岡:
そうですね。私がログラスに入社した2022年4月の段階では、インサイドセールスは私を含め2名しかいませんでした。その後、約1年は5名未満のチームで活動を進め、直近の1年半でチームが急激に拡大し現在にいたります。
当時のインサイドセールスチームは、マーケティングチームが積極的に展示会などに出展し、そこで接点を持ったお客様へのSDRが主な活動内容でした。しかし、今後に備えてインサイドセールスからも案件を創出できる力を持たなければならないという思いから、2024年に入りBDR活動をスタートさせました。
冨田:
私も展示会などによく足を運びますが、ここ1年でログラス社のブースを見ないことはありませんでした。今年からテレビコマーシャルも展開していますが、貴社はSDRから営業活動を拡大していったのですね。
ちなみに、SDRはどのような重要指標を定めているのですか?
松岡:
現在、インサイドセールスチームでは「パイプラインの金額」を重視しています。具体的には、フィールドセールスにパスしたお客様とのやり取りが有効商談となり、どれくらいの受注見込み金額になりそうかをKPIとして追っています。
以前まで重要な指標は商談数でしたが、組織として一定の商談数が供給できる能力がついたことや、フィールドセールスとの目線のズレが少なからず発生していた背景から、現在の指標に至ります。
実は1年前にも、パイプラインの金額を指標にしたことがあります。しかし、そのときは有効商談を意識しすぎるあまり、インサイドセールスとしての出力が落ちてしまうという失敗を経験しました。
冨田:
質にこだわるあまり、そもそもの活動量が減ってしまったのですね。
松岡:
はい。しかし、フィールドセールスと同じ数値を追う必要がある点は変わりません。そこで、一度KPIを商談数に再設定して出力を戻しながら、社内外のコミュニケーションを改善することで、出力を維持したままパイプラインの金額を追いかけられるよう改善を重ねています。
冨田:
ありがとうございます。BDRはいかがですか?
櫻田:
BDRチームは現在、3名程度の少人数で動いています。機動力の高い状態で施策の仮説検証を重ね、最適な戦略を模索しているという状況です。追いかけるべき指標はSDRと同様にパイプラインの金額ですが、その手前にある商談数やお客様の情報の獲得という点にも注力しています。
冨田:
お客様との接触数も重視しているということですね。BDRは少人数のチームということですが、新たに採用したメンバーが中心ですか?それとも、元々のインサイドセールスチームのメンバーでスタートしているのでしょうか?
松岡:
それでいうと後者にあたります。また、他部署からではなく、インサイドセールスの組織内からチームを選抜しました。
冨田:
他社の方々とインサイドセールスについて話していると、必ずといっていいほど「どのようなメンバーにBDRを任せるべきか」と質問されます。なぜ、BDRのメンバーとして櫻田さんに白羽の矢を立てたのですか?
松岡:
一言でいうと、櫻田のような人材が相応しかったからです。彼は非常に言語化がうまく、メンバーの集合知をオペレーションに落とし込み、汎用化・体系化しブラッシュアップし続けるのに長けています。思考の深さや日々の行動を学びに転換できる素養を見込んで、櫻田にプロジェクトマネジメント的な立場を担ってもらおうと考えました。
それ以外にも、日々一定量のアクションをこなしつつ、お客様との対話を大切にしているメンバーをBDRチームにアサインしました。
冨田:
お客様との対話について造詣が深いことと、言語化力を重視したということですね。このお話だけでも、ログラス社には素晴らしい人材がいることが分かります。羨ましいです(笑)。
質の高い情報提供を生かした接点作り
冨田:
ログラス社は、企業の経営の根幹を支えるプロダクトを扱っています。そのため、日々の営業活動では経営層やCFO、経営企画のトップの方、いわゆる上位層とコミュニケーションを取る必要があると思います。なかなか接触するのが難しい立場の方々を相手に、どのように接点を開拓しているのですか?
松岡:
SDRはマーケティングチームを介してお客様にアプローチするわけですが、まずお客様にログラスのファンになっていただかないと商談が進みません。そこで活用しているのがオフラインイベントです。
例えば、社内のイベントスペースに、部長クラスや役員クラスの方々をお招きして交流会を開催しています。他にも、ホテルの会場を借りてエグゼクティブを集めた交流会を開催することもあります。お客様にどのような情報を提供できるのかを、マーケティングと考えつつコンテンツを展開しています。
冨田:
こちらの広々としたスペースをうまく活用しつつ、イベントを開催してリードエンゲージメントを高める活動をを積極的に行っているのですね。
松岡:
たくさん集客すれば良いという訳ではなく、あくまでパイプラインの創出を重視しつつ、お客様へのGIVEを重ねてログラスへの認知度・ロイヤリティを高めることを、マーケティングチームとの共通認識にしています。
冨田:
なるほど、勉強になります。櫻田さん、BDRの接点開拓もぜひ教えてください。
櫻田:
BDRの場合は、大きく三つの手段を現在検証中です。一つ目はDM送付とフォローコール。二つ目がLinkedInを中心としたSNSでのアプローチ。そして三つ目が、hacomono社の樋口堅太郎さんが提唱する二次架電モデルの実践です。
※二次架電モデル
二次架電モデルは一次架電(hacomonoでは営業代行会社が実施)で獲得した5~10分の電話アポ対し、二次架電を行い、精査とヒアリングを行った上で商談化することで商談の質を担保するモデル。
冨田:
3つのチャネルを介してお客様との接触を図っているのですね。LinkedInを用いてのアプローチは、私もやってみたいなと思っていました。
櫻田:
私たちのお客様の層とLinkedInの利用者層がうまく合致していることで、一定の効果があると感じています。
しかし、ターゲットの母数が多くなかったため、費用対効果の観点から当社では継続的に利用するチャネルとして適切ではないという判断を下しました。
冨田:
DMでのアプローチでは、どのような内容をお届けしているのですか?
櫻田:
私たちが提供するプロダクトの概要やお客様の事例を紹介しています。そのうえで、イベントやセミナー、展示会への参加を促すようなメッセージを添えます。
冨田:
SDRもBDRも、お客様への情報提供といったGIVEを率先して行うなど、徹底した顧客ロイヤリティの姿勢を感じます。
松岡:
私たちは、お客様の期待を超える体験を提供し続けられるかをとても大切にしています。外部から登壇者の力も借り、今後の管理会計や経営企画のあり方、海外で話題の※FP&Aなどに関するディスカッションやワークショップを開催しています。クローズドな環境で密なコミュニケーションを交わせるという点で、満足度は非常に高いです。
こうした活動を通じて、私たちは常に日本の経営管理を担う方々へ新しい知見をお届けしたいと考えています。新しい経営のあり方をお伝えすることで、より良い経営管理を実現する手段の選択肢として私たちを想起いただけるのかなと。
※FP&A(財務プランニングと分析)
正確なプランニングや予測、予算編成を通じて、重要な経営判断と財務健全性をサポートするために設計されたプロセスのこと。
IR、中期経営計画、有価証券報告書の何に注目する?
冨田:
それだけ質の高い情報を提供しようとする場合、事前準備や情報のインプットに多大な労力が必要だと思います。皆さんはどのように、最新情報の収集や共有をおこなっているのですか?
松岡:
オンボーディングの一環として、顧客理解の促進を実施しています。例えば、お客様の目指すゴールやそこにいたる障壁、フィールドセールスやカスタマーサクセスのメンバーに、お客様のことをヒアリングするんです。そうやって、お客様の目指すゴールや現在直面している課題を知り、「Loglass」を使用する目的に対する解像度を高めます。
櫻田:
BDRの場合、積極的にAIを活用しています。経営関連の領域を区別し、業界ごとに特化したメッセージを打ち出すという作業は、人の手だけでは非常に大変です。
そこで、AIにお客様の企業名やホームページのURLを入力すると、記載内容や業界分析を行い、提案内容の仮説をいくつか出力されるというシステムが開発されました。それらの情報をもとに、お客様と対話やメールでやり取りしています。
冨田:
貴社の髙橋優斗さんがX(旧Twitter)にそのことを投稿していたのを覚えてます。
個の対応力や知識、リテラシーに依存せず、できる限りオペレーションに落とし込んで活動するという体制が徹底されているのですね。
ログラス社にとって、お客様の解像度を高めるうえでIRや中期経営計画などは非常に重要な情報源だと思います。松岡さんや櫻田さんにとって、これらの資料で必ずチェックしている部分はありますか?
松岡:
私の場合、絶対に把握すべきはその企業の過去と未来の動向だと考えています。そのため、まず重視しているのは直近の中期経営計画が達成されているかです。その結果を踏まえて次の中期経営計画が策定されるので、企業動向の全体像を理解しやすくなります。
加えて、お客様の業界やドメインにおける立ち位置もチェックしています。同じ業界でも、トップを走る企業と少数精鋭で活躍する企業とでは、立ち位置や目指す方向性は大きく異なります。
冨田:
企業の業界・ドメインにおける立ち位置と、中長期的な展望で達成しようとしていることを確認しているんですね。
松岡:
他にも、有価証券報告書などからお客様にとっての事業上のリスクや認識している課題をチェックしています。あとは、お客様と業界的に近い企業のIRや関連業界の動向なども、周辺知識として押さえておくと信頼を得やすいですし、より深い会話ができるかなと。こうした情報を、架電前に10分程度かけて把握するように意識しています。
櫻田:
私も概ね同様です。追加でお伝えできるとすれば、売上推移が予測を大幅に上回った・下回ったといった揺れ動きがあるかをチェックしています。いずれの場合でも、お客様のなかで経営管理の重要性が高まっていると考えられるからです。
ちなみに、IRや決算短信などの資料には作成を担当したCFOのお名前などが載っています。この情報を参考に、誰に価値を届けるべきかを把握するようにしています。
冨田:
売上が予測と大きく異なる結果になり、今後の経営方針の見直しが必要だというシチュエーションを見逃さないようにしているのですね。逆に、売上推移が予測と大差ないという場合、どのような情報をもとに企業へアプローチするのでしょうか?
松岡:
クリティカルな情報が見受けられない場合、お客様のセグメント別の収益をチェックするようにしています。お客様の部門単位の収益を見ることで、各部門を構成する費用・売上の構成要素が想像でき、お客様の事業への解像度をより深められるからです。
冨田:
とても勉強になります。綿密な事前準備をしてからお客様にコンタクトを取っている一方、順調に商談へつながらず複数回にわたるコミュニケーションが必要なケースもあると思います。実際のやりとりを重ねるなかで、ログラス社として重要視しているお客様の情報はありますか?
櫻田:
お客様が考えている「課題」と「理想」を知ることに尽きると考えています。お客様が話す企業の課題と理想像に対して、会社全体で共通認識を持っているのか。また、それが実現できた時の全社の売上向上 / コスト削減、利益向上への影響度合いはどれくらいか。こうした情報を深堀りしていくようにしています。
冨田:
アカウントプランニングの要領で、企業の実態の把握に努めているのですね。
櫻田さんはサラッとおっしゃっていますが、非常に手間のかかるアクションを実践されていると感じました。お客様から得られた情報をもとにアカウントプランを立て、次に誰が何をするのかを丁寧に決めて実行しないと、お客様のロイヤリティは大きく低下してしまいます。
松岡:
おっしゃるとおりで、私たちも現在進行形でやり方を模索し続けています。エンタープライズとミドルマーケットのように、事業規模でテリトリーを分けたこともその一環です。
正直、ミドルマーケットはそこまでお客様とのやり取りを科学しきれていません。エンタープライズはしっかりと、アカウントプランを立てた行動ができています。フィールドセールスとも情報を共有して、どのようにアプローチするか、あるいはまだアプローチすべきではないかなど、相談しながら行動をコントロールしています。
冨田:
どのように、フィールドセールスと認識をすり合わせつつお客様へのアクションを決めているのですか?
松岡:
まだ立ち上げ期の段階ではあるため、毎日3〜4回と情報共有することで補完しています。エンタープライズ領域に強いメンバーの意見も聞きつつ、インサイドセールスの順応と会社全体の営業力のアップデートを図っています。
私たちもまだ完璧ではありませんが、インサイドセールスと他のチームでお客様の情報を共有するのはどの企業も取り組むべきだと思います。特に、リード単位ではなく取引先のアカウント単位でアプローチするのがおすすめです。
取引先単位でアプローチすることで、お客様と点ではなく線でのコミュニケーションができます。見込み顧客の情報を保有して継続対応し、商談のタイミングを見計らってナーチャリングを図るため、顧客体験を高めやすいですし、フィールドセールスとも連携しやすいです。
精緻な分析とマニュアル化でミドルマーケットのBDRを開拓
冨田:
櫻田さんはミドルマーケットのBDRチームの立ち上げを任されたとのことですが、実際にどのような苦労がありましたか?
櫻田:
たくさんありますが、特に苦労したのはアプローチするお客様の認識合わせです。ミドルマーケットはすべての企業が上場しているわけではないため、公開情報だけではターゲットを絞りきれません。
加えて、予実管理を主管する部門や経営企画を主管する部門や部門名がバラバラで、会社ごとにどの部門・どの担当者にアプローチすべきかが定まらないんです。
例えば、同じ会社に「経営企画部」「経営管理部」「経営戦略部」など類似した部門が存在しているといったケースです。この状態に対して、どの部門の誰にアプローチすべきなのか。その共通認識を醸成するのには大変苦労しました。
冨田:
どの部門が何を主管しているのか、一見すると分かりませんね。確かに、適切なターゲットを見つけ出すのは大変だ……。
櫻田:
最終的に、認識をあわせられるよう私のほうでマニュアルを作成しました。お客様にアプローチする過程で分かってきた傾向をもとに、「この部門のこのレイヤーのお客様に対しては、この手法を用いてアプローチする」といった手順をすべて明文化したんです。
マニュアルでメンバーの認識をそろえつつ、適宜軌道修正を図りました。実際の活動では、該当する部門を見つけるだけでなく、その部門の誰に届けるかも重視しました。
冨田:
見込み顧客となるターゲットを見つけ出すにあたり、マニュアルをひとつの指標としたのですね。そして、マニュアルをもとに活動と検証を重ねて、情報を蓄積させていったと。
松岡:
活動内容は月次で報告してもらうのですが、それがとてもキレイにまとまっていてわかりやすいんです。
冨田:
素晴らしいですね。櫻田さんのような方がいると、インサイドセールスは非常に機能しやすくなります。櫻田さんが考える、BDRチームを立ち上げるときにやっておくべきこと、大切なことは何だと思いますか?
櫻田:
BDRの場合、「どの企業の誰に届けるか」の変数が非常に多いです。そのため、どのようなお客様をターゲットとすべきかを丁寧に分析し、精緻にまとめることが大切だと思います。
冨田:
ログラス社では、お客様とすべきターゲットを選定する精度をどのように高めていったのですか?
櫻田:
立ち上げの段階で既存顧客の受注分析をしてみましたが、変数の軸をうまく見つけることはできませんでした。一定規模の企業を網羅的にまとめて、そこから目星をつけようとしたときも、明確な示唆は得られませんでした。
そこで気づいたことは、改めて組織的に、WHO(誰に)、WHAT(どんなプロダクトやご提案を)という「市場及び顧客解像度」を共通認識として持ち、それを高め続けることが必須だということです。
現在は、上場企業に目星を付けつつ、業界ごとにメッセージを変えてアプローチするという手段にたどり着いています。
ちなみに、活動から得た示唆については、定期的にnoteでまとめて発信しています。
冨田:
上場企業へのアプローチから、どのような変数があるのかを丁寧に探っているのですね。なるほど…と納得する一方、非常に難しいことに取り組まれていると感じます。
今おっしゃっている行動を実行するにあたり、どのような情報を取得して何を検証するのかが明確である必要があると思います。そうでないと、成果があいまいになりお客様の解像度も高まりませんから。
このあたりの取り組みは、おそらくオープンな場で話せないことがたくさんあると思います。気になる方はぜひ、クローズドな場で櫻田さんに質問してみてください(笑)。
まずやるべきはお客様を主語とするカルチャーの醸成
冨田:
松岡さんはインサイドセールスチームを立ち上げるにあたり、どのようなことに取り組むべきだと考えてますか?
松岡:
一番に根付かせるべきなのは、絶対的にお客様を主語にして会話するカルチャーをつくることだと思っています。これは当たり前ではありつつ、つい忘れられがちなことです。
インサイドセールスは会社にとって「最初の顔」となる存在です。よくも悪くもインサイドセールスによって、その会社の印象が決まってしまいます。オペレーションの整備や体系化も大切ですが、根本にあるお客様第一のスタンスは最初に構築しておくべきです。
冨田:
すべての企業に必要な姿勢ですね。
松岡:
私自身、この考え方を立ち上げ初期のメンバーに教えていただきました。当時の私は学生時代の長期インターンを経て、とにかく成果報酬重視で「一日200件架電!」と数をこなす営業に慣れていたため、その意識が薄れていたんです。
その失敗があるからこそ、お客様を大切にするという文化の浸透には、一番こだわるべきだと考えています。
冨田:
さまざまなメディアやSNSなどを見ても、ログラス社からは「お客様の成果ドリブン」のカルチャーをひしひしと感じます。
松岡:
先ほど話したお客様第一の考え方は、全社に浸透していると思います。例えば、弊社では社内においても「アポ獲得」など、お客様の前では口にできない言葉は使わないよう徹底しています。
社内Slackでは「ファーストクラス」という文字のスタンプがあるのですが、私たちは常に「ファーストクラスのコミュニケーションが取れているか」を意識しているんです。
営業組織だけでなくエンジニア組織のメンバーも、常にそれはユーザーにとってどのような価値があるのか。を考え続ける文化があります。
実際、プロダクト開発ではエンジニアが空いた時間にお客様との商談動画をチェックしています。展示会にエンジニアが参加することも珍しくありません。お客様が何を考えているのか、積極的にキャッチアップしようとしているんです。
冨田:
とても素敵な取り組みですね。お話を聞いていて、ログラス社は緻密な連携・ノウハウの体系化とお客様との誠実な関係構築を通じて、インサイドセールスに取り組んでいることが分かりました。最後に、お二人がログラス社で実現していきたいことを教えてください。
櫻田:
ログラスは「良い景気を作ろう。」というミッションを掲げているのですが、私も同様にこの日本を良くしていきたいという想いがあります。
私は今年30歳を迎えて、3月には子供が生まれました。我が子が何の不満もなく、何の障壁もなく生きていける世の中を作りたいと、日々考えています。
日本に良い景気をつくるため、今の事業領域やインサイドセールスの役割にとどまらず、自分ができる最大のバリューを発揮していきたいです。
松岡:
私も櫻田も、そしてログラスにいる社員も全員、「良い景気を作ろう。」というミッションに共感して集まっています。私自身もまた、「他人事を自分ごとに思える社会を作ること」を個人のミッションに掲げています。
ふと周りを見渡して、電車のなかで困っている人に席を譲れるような余裕を持つことは、これからの社会でとても大切なことだと思うんです。しかし、世間が不景気で世の中に余裕がなくなれば、周りの人々に優しくできなくなってしまいます。
景気が良くなり経済的な負担が少なくなれば、人の心に余白が生まれる。そうなれば、日本の幸福度はもっと上がると思います。
経営管理という事業領域にこだわらず、良い景気を作るための何ができるのかを考えチャレンジできる環境がログラスにあります。自分ができることは何かを常に考え、インサイドセールスはもちろんそれ以外の領域にも進出して、ミッションの達成に貢献していきたいです。
冨田:
ミッションに共感しているという想いが強く伝わるお話でした。
インタビューを通じて、松岡さんや櫻田さん、そしてログラス社の皆さんがお客様や社内のメンバーを思いやり、日々の活動に取り組んでいることが伝わりました。
現在、ログラス社は新しいメンバーを絶賛募集中です。今回のお話に共感し、素敵なメンバーと切磋琢磨したいと感じた方は、ぜひ問い合わせてみてください。
松岡さん、櫻田さん、本日はありがとうございました!
今回の「THE LEADERS」は、お楽しみいただけましたか?本シリーズでは、今後も各業界で活躍するインサイドセールスのリーダーをお招きして対談を行います。
次回もぜひ、ご覧ください。過去のインタビュー記事はこちらから
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