インサイドセールス
基礎知識

インサイドセールスのやり方を解説

インサイドセールスで成果を出していくためには、活動の目的や内容を明確にして、適切なやり方で実施する必要があります。しかし、インサイドセールスの活動内容は企業によって異なるため、具体的な活動内容がわからないという悩みを抱えている企業もあるのではないでしょうか。

当記事では、インサイドセールスのやり方を施策ごとに詳細に解説します。成果を出すためのやり方や見直しの際に意識するべき点も解説するので、インサイドセールスのやり方を詳しく知りたい方は参考にしてみてください。

インサイドセールスを始めるために準備しておくべきこと

インサイドセールスを始めるために必要な準備は「目的と役割の明確化」です。とくにインサイドセールスの目的は、自社の課題解決に向けた重要な要因となるため、かならず明確化するようにしましょう。

自社の営業組織における課題を把握し、インサイドセールスの立ち上げ目的を明確にします。たとえば、受注率が伸びない場合は、確度の高い商談を創出することを目的にします。

インサイドセールスが担う役割には「見込み顧客の創出」「購買意欲の醸成」「生産性や効率の向上」があります。立ち上げの目的を達成するために必要な役割の見極めが必要です。

なお、インサイドセールスが担う役割は、1つだけとは限りません。営業組織の規模や扱う商材などにあわせて、複数の役割を担当することもできます。

また、インサイドセールスの立ち上げには、「担当者の教育」「営業支援ツールの導入」「KPI設定」「シナリオ設計」も必要です。立ち上げに必要な準備は「インサイドセールスを立ち上げるための5つの手順【事例あり】」で詳しく解説しているので、インサイドセールスの立ち上げを検討している方は確認してみてください。

インサイドセールスのやり方には3つの形態がある

インサイドセールスのやり方には主に分業型、独立型、混合型の3つの形態があります。3つの形態は、インサイドセールスがどのような役割を担うかによって決定します。

【インサイドセールスの形態】
項目概要
分業型顧客の創出、獲得をマーケティング部門が行い、インサイドセールス部門では顧客の育成、フィールドセールス部門は商談から受注までを行う。
営業活動をそれぞれの部門ごとに分業する
独立型顧客の創出、獲得をマーケティング部門が行い、インサイドセールスが見込み顧客との関係構築から商談までを行う内勤営業。
オンラインセールスとも呼ばれる
混合型商材やターゲット企業に応じて、分業型と独立型を使い分けて運用する

分業型の場合、マーケティングやインサイドセールスの段階で情報収集や見込み顧客の育成ができるため、成約見込みの高い商談を創出できます。特に、複数の担当者とのやりとりが多かったり、受注までの日数が長い傾向にある、大企業向けの高額商材を取り扱う企業に向いています。

独立型はオンラインセールスとも呼ばれ、新規顧客獲得から商談までスマートフォンやPCを活用しインサイドセールスのみで行う内勤営業です。特に、低単価で受注までの日数も少ない売り切りモデルや中小企業向けの低単価商材を取り扱う企業に向いています。

混合型は、商材、顧客などに応じてインサイドセールスが顧客育成から商談まで行う営業タイプです。担当する見込み顧客の企業規模や提案する商材によってインサイドセールスが担う役割を臨機応変に変えていくことが求められます。特に、商材のターゲットが大手企業から中小企業まで幅広い場合に向いています。

インサイドセールスが担う役割によって、適したやり方は異なります。そのため、自社の営業組織に適したインサイドセールスの役割を決定した後に、営業プロセスにおけるインサイドセールスの形態を検討しましょう。

インサイドセールスのやり方

インサイドセールスは、見込み顧客との関係性構築や購入意欲の高い見込み顧客との商談を創出するために、さまざまな活動を行います。

【インサイドセールスの活動内容】

  • ターゲット設計・アプローチリスト作成
  • トークスクリプト作成・架電
  • フォローメール・メルマガ配信・DM送付
  • セミナー開催、ホワイトペーパー作成
  • タイミングを見極めて商談化
  • データ分析

ターゲット設計・アプローチリスト作成

営業活動を効率化するために、自社が狙うべきターゲットの設計とアプローチリストを作成します。これにより、インサイドセールス活動で発信するメッセージやアプローチする優先順位を明確にできるようになります。

【狙うべきターゲット設計の手順】

  1. 企業や担当者を複数の軸から確認して顧客像を作る
  2. アプローチの優先順位を設定する
  3. 企業リストを作成して有効リードを精査する

顧客像を設計する際は、企業の業界や従業員規模、関心事などの複数の軸を設定します。また、担当者の性格や所属部署、役職なども詳細に設定することで、アプローチの優先順位を決める際の基準になります。

顧客像を作成したら、購入見込みやLTV(Life Time Value)などに応じて、ターゲットの重要度に階層を設定します。たとえば、見込みや売上が高いと予想される順に「Tier1」「Tier2」「Tier3」の3階層に分けます。

最後に、アウトバウンド施策(新規開拓営業/BDR)の対象とする企業リストも同時に作成します。アプローチリストを作成する際は、「既に接点を持っている企業」や「過去に営業を行っている企業」「競合サービスの運営会社」などが含まれていないか注意しましょう。

トークスクリプト作成・架電

インサイドセールス担当者が架電を行う際は、トークスクリプト(営業台本)を活用します。トークスクリプトの活用によって、担当者によるトーク品質のバラつきを抑えることができるため、属人化の防止やトークの改善点の洗い出しに繋がります。

トークスクリプトは、「ヒアリング項目の設定」「トークフローの骨子作成」「トークフローの具体化」の3ステップで作成します。

【トークスクリプトの作成手順】
ヒアリング項目の設定受注に繋がる情報をヒアリング項目に設定する
トークフローの骨子作成架電の流れを可視化する
見込み顧客の回答によるトークの分岐まで作成する
トーク内容の具体化骨子をもとに具体的な台本を作成する

ヒアリング項目の設定では「BANTCH」を意識することで必要な情報の抜け漏れがなくなります。BANTCHは「Budget(予算)」「Authority(決裁権)」「Needs(ニーズ)」「Timeframe(検討時期)」「Competitor(競合)」「Human resources(人員体制)」の頭文字を取った略語で、受注の際に必要な情報をフレームワーク化したものです。

骨子を作成する際は、見込み顧客の反応を想定して会話の分岐を複数用意していきます。この段階では、トークの詳細までは作成せずに「伝える内容」「ヒアリング項目」「トークのゴール」が設定されているかを確認しながら作業を進めます。

トークフローの骨子を作成したら、具体的なトーク内容を作成します。トーク内容を具体化する際は、トップセールスの架電内容を分析して取り入れていきます。また、実際の架電時に活用しやすいように「口語体」で内容を作成しましょう。

トークスクリプトの作成後は、架電の際に活用しながら定期的な見直しと改善を行います。改善を行う際は、録音した架電の聞き直しや、商談後に商談担当者へ意見をもらうなど、実際にトークスクリプトを活用した結果から振り返りを行えるようにしましょう。

トークスクリプトの作成手順は、「インサイドセールスのトークスクリプト | テンプレートや作り方のコツを紹介」で詳しく解説しています。トークスクリプトの作成を検討されている方は確認してみてください。

フォローメール・メルマガ配信・DM送付

見込み顧客と継続的に接点を持つために、電子メールや手紙を活用した施策を実行します。メールを使った施策には、情報提供を行うメルマガ配信や見込み顧客のアクションにあわせたフォローメールなどがあります。

【メールテンプレート】
件名:
(資料名)請求のお礼
 
本文:
○○株式会社 ○○様
 
お世話になっております。株式会社○○の○○と申します。
先日は、弊社製品「(製品名)」の資料をご請求いただき誠にありがとうございました。
 
是非弊社サービスの効果、導入企業様の事例などご紹介、
貴社の課題解決に関するお打ち合わせの機会を頂けないでしょうか。
 
○○や○○、○○についても情報提供させていただくことができます。
 
お時間は30分ほどで、オンラインでのお打ち合わせを予定しております。
つきましては、○○様のご都合のよい日程をメールの返信にてご教示いただけますと幸いです。
 
※返信テンプレ―トを挿入
——————–
■候補日時
・○月○日(○)○○:○○~○○:○○
——————–
 
ご多用の折恐れ入りますが、ご回答の程よろしくお願い申し上げます。
—–
署名

たとえば、見込み顧客から資料請求があった場合は、不明点や課題のヒアリングとあわせて商談用のURLを送付します。見込み顧客の行動にあわせた情報を提供することで興味関心を引きやすくなるため、メールの開封率やURLのクリック率向上などが見込めます。

また、メールの開封率や反応率を高めるには、配信のタイミングや頻度も重要です。配信のタイミングがターゲットの行動習慣とずれていると開封率は低下し、商談打診の配信頻度が多すぎる場合は、オプトアウト(配信停止)率が高くなる可能性があります。

BtoB商材の場合、一般的には火曜日から木曜日の通勤時間やお昼休みの時間を狙って配信すると開封率が高くなる傾向があります。ただし、商材やターゲットとなる企業によって適切な時間が異なるため、思うような反応が得られない場合は、配信タイミングや頻度を調整してみてください。

メール配信のポイントや必要な準備の詳細は「メール配信でインサイドセールスの成果を上げる方法を解説」をご確認ください。

セミナー開催

インサイドセールス担当者は、リードの獲得やリードナーチャリングを目的にセミナーを開催する場合があります。また、ウェブ会議ツールや動画の普及によって、セミナーをウェブ上で行うウェビナーを開催する企業も増えています。

セミナーは「企画・準備・集客・運営・フォロー」の5つのフェーズにわけて行います。

セミナーを企画する際は、目的にあわせてセミナーで扱う内容を選定しましょう。セミナーの開催目的が認知拡大のためであれば、「効果的なトークスクリプトの作成方法」のような幅広い層へアプローチできる内容にします。

一方で、商談獲得を目的にする場合は、自社ツールの活用方法や解決できる課題など、商談に繋がりやすい内容をテーマにセミナーを開催します。

セミナーは、開催日の3ヶ月程度前から企画を行い準備します。ただし、ウェビナーの場合は、開催場所の確保が不要・集客の期間を短めに設定できるなどの特徴があるため、1ヶ月前からの準備でも開催可能です。

ほかにも、セミナー開催前から、開催後のアフターフォローの施策を検討しておきます。アフターフォローは、回収したアンケートの反応にあわせて、感想のヒアリングや情報提供などを行いましょう。

ウェビナー開催の手順や注意点は「ウェビナー開催 完全ガイドブック」で詳しく解説していますので、開催を検討している方は参考にしてみてください。 また、ウェビナー開催後のアフターフォローについては、「ウェビナーから商談を創出するアフターフォローのやり方」で詳しく解説しています。

タイミングを見極めて商談化

インサイドセールス担当者は、ナーチャリング施策を通して得た見込み顧客の情報や反応をもとに、購入意欲の高いターゲットを選定して商談の打診を行います。

購入意欲を見極める作業のことを見込み顧客の選定(リードクオリフィケーション)といいます。見込み顧客の選定には、見込み顧客と接点をもってから受注に至るまでの流れをまとめたカスタマージャーニーや見込み顧客の行動を点数化するためのシナリオ設計が必要です。

シナリオ設計する際は、自社の営業ノウハウをもとに資料請求や無料体験の申し込みなどの行動を点数化していきます。設計したシナリオは、実際に運用したあとの営業実績をもとに見直しを行います。

また、見込み顧客の購入意欲が低く商談に繋がらなかった場合は、再度メルマガやセミナーなどによってナーチャリングを行い、定期的にフォローコールをして購入意欲を見極めましょう。 フォローコールは、初回の架電で検討タイミングを確認した時期または、2〜3ヶ月の間隔を空けて実施します。

フォローコールする際は、初回の架電でヒアリングした内容をもとに状況を確認することで、見込み顧客から得られる反応が良くなります。

データ分析

営業活動で得たデータの活用によって、担当者間で定量的な指標を共有が可能になるため、施策の振り返りや再現性の高い活動が行えます。

データ分析は、目的ごとにダッシュボードを作成しておくことで、チーム内での共有や定期的な振り返りがおこない易くなります。

ダッシュボード例
※ダッシュボード例(一部モザイク処理を加えております)

データ分析は、企業の抱える課題やKPIの確認など目的を決めて行いましょう。たとえば、商談の獲得率に着目する場合は、商談を獲得できている業界や担当者の役職、リードを獲得したチャネルなどの商談獲得率をダッシュボードにまとめます。

これにより、自社が得意とする分野が明確になるため、インサイドセールスの施策を企画する際の指標になります。

まず、データ分析を行うためには、蓄積するデータを決定します。

【蓄積するデータ項目例】
区分データ項目
企業データ・企業名
・従業員数
・所在地
・ホームページ
・決算期
担当者データ・氏名
・部署
・役職
・役割
・電話番号
・メールアドレス
商談データ・商談日
・見積日
・予算
・受注確度
アクションデータ・日時
・内容

なお、データ収集を効率的に行うには、営業支援ツールが必要です。インサイドセールスツールの特徴や選び方は「インサイドセールスツールはどれを選ぶ?ツールの特徴や選び方のポイントを解説」を参考にしてみてください。

インサイドセールスの成果を出すために見直すポイント

インサイドセールスの成果が思うように出ない場合や、さらに効率を上げたいという場合は、インサイドセールスのやり方を見直してみてください。

【インサイドセールスのやり方を見直すポイント】

  • Why you Why nowを意識した仮説構築ができているか
  • 営業部門間の情報共有

アプローチ前にWhy you Why nowを意識した仮説構築を行う

インサイドセールスの施策に対する反応が良くない場合は、仮説に「Why you Why now」の要素が適切に揃えられているか見直しましょう。「Why you Why now」を伝えることができれば、短い接触時間で、見込み顧客が抱える不信感を解消し、話を聞いてもらえる状態にできます。

【Why you nowの要素】
Why You(なぜあなたに)・見込み顧客の課題に対して解決策を提供できる
・見込み顧客にメリットがある
・見込み顧客の中期経営計画を確認した
Why Now(なぜ今)・見込み顧客にアクションがあった(資料請求やセミナー参加など)
・見込み顧客の業界や環境に変化があった

「Why you Why now」を意識した仮説を構築するためには、見込み顧客の事業や業界の環境などを調査する必要があります。仮説を伝える際は、中期経営計画やIR、業界のトレンドなどを調査して根拠として話題に含めます。

また、見込み顧客の情報に加えて、企業規模や業種が近似している企業の事例なども調査することで、より納得感のある仮説を構築することができます。このように、インサイドセールスの施策では、アプローチ前の徹底的な企業調査が重要であることを念頭に置いて見直しを進めましょう。

営業部門間の情報共有

営業活動においては、「マーケティング」「インサイドセールス」「フィールドセールス」間での情報共有が重要です。

とくに、インサイドセールスが獲得した見込み顧客の情報は、受注率に影響を与えるため商談前にフィールドセールス担当者へ共有する必要があります。

【商談前に共有する情報】

  • 見込み顧客の抱える課題
  • 予算感
  • 決済者(エコノミックバイヤー)は誰なのか
  • 担当者の役割(導入推進者なのか)
  • 見込み顧客の人柄や性格

商談前は、インサイドセールス担当者から商談の獲得に至った経緯や見込み顧客が抱える課題を共有します。この際、見込み顧客の人柄や性格を伝えておくことで商談の進め方を決めることができるため、やりとりした際の雰囲気なども伝えます。

商談後は、フィールドセールスとインサイドセールス間でフィードバックの機会を設けましょう。失注や受注の理由を振り返ることで、商談獲得前にヒアリングしておくべき情報を洗い出すことができるため、営業活動の改善に繋がります。

なお、インサイドセールスで成果につながるコツを知りたい人は「インサイドセールスで成果を出すためのコツを解説」を確認しましょう。

まとめ

インサイドセールスは導入範囲や営業業務の内容が広範囲にわたるため、導入する際は自社が抱える課題を明確にして導入する目的を決めることが重要です。

インサイドセールスの活動内容は、「ターゲット設計」「架電」「メール」「セミナー」「商談化」「データ分析」です。ただし、インサイドセールスの役割によっては担当しない内容もあります。

なお、見込み顧客から良い反応を得られない場合は、アプローチする前にWhy you now「なぜ今あなたに連絡したのか」を明確にしておきましょう。このポイントが見込み顧客の悩みに近いものであれば、見込み顧客が感じる不信感を取り払い、「話を聞いてみてもいい」と思ってもらうことができます。

この記事の著者WRITTEN BY...
スマタイ編集部
スマタイの記事を制作している編集部です。
不定期でマーケティング、インサイドセールス、営業支援に関する最新の情報を発信していきます。

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